元システムエンジニアの林さんが寝具セット開発

　元システムエンジニア（ＳＥ）の林千里さん（80）＝田原市＝が、首と肩、腰に優しく、寝返りのしやすい枕とマットレスの寝具セット「Ｌｉｋｅｆｕｚｚｙ」を独自に開発した。ボケ防止と好奇心、探究心を原動力に創作活動をライフワークの１つにする林さん。「困っている人の助けになればいい」と話す。
　現役時代、勤め先ではコンピューターの運用などを担当。退職後はゴルフを楽しむなど悠々自適に過ごしていたが、年齢を重ねるごとに腰痛や脊柱管狭窄症などで不調をきたすように。病院で診察を受けるも、思うように改善が見られなかったという。
　そこで、医師らの意見を参考にしながら、症状と寝姿勢の関係性に着目。楽な姿勢による睡眠が可能な寝具の開発に向けて行動を起した。ＳＥ時代に培った問題解決力を生かして試行錯誤を重ね、友人たちにも実際に寝心地を体験してもらうなどして、検証を続けた。
　ようやく完成した寝具セットは、独立したクッション材となるウレタンフォームを敷く仕様で、硬さや厚さを組み合わせて、自分好みの寝姿勢を支え、自分専用の寝床をつくることができる。
　背中の肩甲骨部分に空間をつくった構造で、仰向けに寝た際は肩が落ちて胸が広がる格好になり、自然と呼吸がしやすく、呼吸も深くなる。パイプチップを詰め込んだ枕は四分割で隙間があり、横向きに寝返った場合でも頭に安定感が生まれる仕組み。
　寝具セットは、ホームページ「Ｌｉｋｅｆｕｚｚｙ」から見られる。
（千葉敬也）