豊橋と田原で消防出初め式

　豊橋、田原両市で６日、消防出初め式が開かれ、消防関係者らが防火への誓いを新たにした。

　豊橋市の出初め式は豊橋球場（豊橋公園内）であり、消防職員や消防団員ら約１１００人、消防車両42台が参加した。冷たい風が吹く中、新春恒例の一斉放水や消防団はしご演技を披露し、無火災、無災害を祈願した。
　式では、佐原光一市長が昨年の九州北部豪雨や同市での竜巻被害、懸念される南海トラフ巨大地震に触れ、インフラ整備と耐震化、地域防災を含めた消防力や災害医療体制を強化して「災害に強い暮らしの実現を目指し、巨大地震を不断に置いた防災・減災対策を推進していく」と決意を示した。
　市内では昨年、前年より15件多い１０６件の火災が発生。救急出動件数は１万５千件を超え過去最高となった。
　福岡と大村の２消防分団による江戸時代の伝統を今に伝える高さ約６㍍のはしご演技のほか、昨年７月に被災情報の速やかな収集を目的に発足した市ドローン飛行隊「ＲＥＤ　ＧＯＢＬＩＮＳ」も訓練の成果を披露した。
　消防車両の分列行進にはキッズ消防士40人も分乗して参加。県防災ヘリコプター「わかしゃち」も飛来した。
（井嶋義典）

　田原市の出初式は、市街地のはなのき広場を会場に消防署員や消防団員ら総勢約６８０人とポンプ車や災害支援車など消防関係車両23台が出動。今年１年の防火や防災に向けて決意を新たにした。
　分列行進に続く特別演技では、赤羽根保育園の年長、年中園児41人が元気良く踊りを披露。「良い子は火遊びしません」などと防火の誓いを唱和した。
　最大の見せ場で消防署員らによる階梯操法では、中島僚介消防士が竹組みのはしごに登り、地上６㍍から「シャチ」「一本遠見」などと呼ばれる１０種の妙技を繰り出し、観客は一つ一つの技に拍手を送った。式後、中島消防士は「自分の演技を出し切れました」と安堵の表情を見せた。　
　山下政良市長は「災害のない１年であることを心から願っています」と述べた。
（千葉敬也）