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夫の遺作展に向け写真の整理

写真を眺める美代子さん
写真を眺める美代子さん
長野県の白馬八方池で2015年撮影。博志さんは帽子がお気に入りだった(美代子さん提供)
長野県の白馬八方池で2015年撮影。博志さんは帽子がお気に入りだった(美代子さん提供)

 豊橋市に住む小野田美代子さん(72)さんは昨年、2歳上の夫・博志さんに先立たれた。今は一周忌に合わせて開く遺作展のため、博志さんが趣味で撮りためてきた何枚もの写真を眺めながら整理している。
 同市出身の美代子さんと、奥三河東栄町出身の博志さんの馴れ初めはお見合いだった。美代子さんの姉が持ってきた縁談。第一印象は「優しそうな人だった」と懐かしむ。お互い40代前半、博志さんが郵便局員だったこともあり、美代子さん的には「公務員だったし、結婚してもいいかな」。それまでは縁談が舞い込んでも“お蔵入り”だったが、博志さんとの姓名判断は「吉」で、相性はお墨付き。結婚まではとんとん拍子に進み、出会って半年足らずで挙式を迎えた。
 退職後、博志さんがカメラに夢中になると、2人は旅行を楽しむように。年に5回程度、全国の景勝地や名所を巡った。博志さんは愛用のカメラを手に、旅先の風景などを撮りながら満足気に話しかけてくれた。晩年の博志さんは入退院を繰り返し、肝臓がんも見つかった。見舞いに来た人たちが優しく声を掛けると涙を流していたという。美代子さんが交わした最後の会話は冗談交じりで、病室には笑い声が響いた。
 「みよちゃん」「ひろしくん」で通じる2人。主治医が「こんな仲良しの夫婦を見たのは初めて」と言うほどのおしどり夫婦だった。
 「30年間一緒に暮らして、けんかは一度もなかった。考えたこともなかったけど、亡くしてから主人が好きだったというのに気づいた」と涙が止まらなかった。「写真を見ると見入ってしまい手が止まって、思い出が浮かんでくる。悲しいことは悲しいけど、亡くなった時にこれ以上涙が出ないくらい泣きました」。友人の言葉に背中を押され、「家にいると泣けてばかりいるから」(美代子さん)と、日中は長年携わっている福祉系のボランティアや童謡グループで活動もしている。
 遺作展は、2人で毎月のように通い、博志さんが写真展を開催したこともある田原市はなとき通りの喫茶店「いとう屋」が会場。博志さんは、東三河地域や県内の写真コンテストで最高賞などを受賞するほどの腕前だ。自宅には数多くの賞状が残っている。
 「主人に恥ずかしくない生き方をしたい。若い頃から人の役に立つことが好きだったので、人の役に立つ生き方をしたい」と美代子さん。一周忌を終えた頃には「旅がしたい」と1人旅を考え中。「勉強不足で今は練習中」だが、博志さんが愛用したカメラを相棒にまずは北海道へ行ってみる。
(千葉敬也)

 豊橋市に住む小野田美代子さん(72)さんは昨年、2歳上の夫・博志さんに先立たれた。今は一周忌に合わせて開く遺作展のため、博志さんが趣味で撮りためてきた何枚もの写真を眺めながら整理している。
 同市出身の美代子さんと、奥三河東栄町出身の博志さんの馴れ初めはお見合いだった。美代子さんの姉が持ってきた縁談。第一印象は「優しそうな人だった」と懐かしむ。お互い40代前半、博志さんが郵便局員だったこともあり、美代子さん的には「公務員だったし、結婚してもいいかな」。それまでは縁談が舞い込んでも“お蔵入り”だったが、博志さんとの姓名判断は「吉」で、相性はお墨付き。結婚まではとんとん拍子に進み、出会って半年足らずで挙式を迎えた。
 退職後、博志さんがカメラに夢中になると、2人は旅行を楽しむように。年に5回程度、全国の景勝地や名所を巡った。博志さんは愛用のカメラを手に、旅先の風景などを撮りながら満足気に話しかけてくれた。晩年の博志さんは入退院を繰り返し、肝臓がんも見つかった。見舞いに来た人たちが優しく声を掛けると涙を流していたという。美代子さんが交わした最後の会話は冗談交じりで、病室には笑い声が響いた。
 「みよちゃん」「ひろしくん」で通じる2人。主治医が「こんな仲良しの夫婦を見たのは初めて」と言うほどのおしどり夫婦だった。
 「30年間一緒に暮らして、けんかは一度もなかった。考えたこともなかったけど、亡くしてから主人が好きだったというのに気づいた」と涙が止まらなかった。「写真を見ると見入ってしまい手が止まって、思い出が浮かんでくる。悲しいことは悲しいけど、亡くなった時にこれ以上涙が出ないくらい泣きました」。友人の言葉に背中を押され、「家にいると泣けてばかりいるから」(美代子さん)と、日中は長年携わっている福祉系のボランティアや童謡グループで活動もしている。
 遺作展は、2人で毎月のように通い、博志さんが写真展を開催したこともある田原市はなとき通りの喫茶店「いとう屋」が会場。博志さんは、東三河地域や県内の写真コンテストで最高賞などを受賞するほどの腕前だ。自宅には数多くの賞状が残っている。
 「主人に恥ずかしくない生き方をしたい。若い頃から人の役に立つことが好きだったので、人の役に立つ生き方をしたい」と美代子さん。一周忌を終えた頃には「旅がしたい」と1人旅を考え中。「勉強不足で今は練習中」だが、博志さんが愛用したカメラを相棒にまずは北海道へ行ってみる。
(千葉敬也)

写真を眺める美代子さん
写真を眺める美代子さん
長野県の白馬八方池で2015年撮影。博志さんは帽子がお気に入りだった(美代子さん提供)
長野県の白馬八方池で2015年撮影。博志さんは帽子がお気に入りだった(美代子さん提供)

カテゴリー:社会・経済

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