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牧平さんが「人毛騒動」まとめ一冊に

「海は汚させない」を手にする執筆者の牧平さん=豊橋市日色野町で
「海は汚させない」を手にする執筆者の牧平さん=豊橋市日色野町で

 昭和初期、豊橋市への工場誘致をめぐり地元漁民が行政・経済界と対立した「人毛騒動」について、同市日色野町の元教諭・牧平興治さん(77)が著書「海は汚させない-人毛騒動-昭和九年六条潟漁民生活擁護闘争」(春夏秋冬叢書発行)にまとめ、出版した。
 人毛騒動は、豊橋市が工業都市化へ向け、1933(昭和8)年に豊川下流の同市牟呂地区に化学繊維会社「日本人造羊毛」の工場誘致を決定したことで起きた反対運動。漁民らは、工場から出た排水が豊川から流入し、六条潟の豊かなアサリやノリなどの養殖へ被害を与えることを懸念。約1年間にわたり、デモ行進や反対演説集会、県知事への陳情などで激しく対抗し、県の仲裁と同社が大分県に工場建設を決めたことで契約は破棄された。
 牧平さんは2年前、身辺を整理する中で昭和50年代に出版された闘争記を発見。「これは歴史に残すべきものだと確信した。ぜひ、この地域の方々に知ってもらい、きれいな環境を残す意識を持ってもらいたい」と書籍化を決意した。数冊の文献から抜粋し、時系列にまとめ、反対派だった中心人物の親族から当時の新聞のスクラップを借りたり、海と漁民の歴史に詳しいフリーライターの協力を得たりして編集した。
 大衆運動で阻止しただけでなく、工場の排水が漁業に与える被害の裏付けを取るため滋賀、岡山、広島各県などを視察し、運動を通じて水質汚濁防止法制定への機運を高めた点も高く評価されている。「近代の漁民運動史において化学工場誘致に対し、水質汚染を予測して阻止した希少な事例」と牧平さんは話す。
 A5判、183㌻。価格は1200円(税別)。豊橋市内の精文館、豊川堂で販売している。
(飯塚雪)

 昭和初期、豊橋市への工場誘致をめぐり地元漁民が行政・経済界と対立した「人毛騒動」について、同市日色野町の元教諭・牧平興治さん(77)が著書「海は汚させない-人毛騒動-昭和九年六条潟漁民生活擁護闘争」(春夏秋冬叢書発行)にまとめ、出版した。
 人毛騒動は、豊橋市が工業都市化へ向け、1933(昭和8)年に豊川下流の同市牟呂地区に化学繊維会社「日本人造羊毛」の工場誘致を決定したことで起きた反対運動。漁民らは、工場から出た排水が豊川から流入し、六条潟の豊かなアサリやノリなどの養殖へ被害を与えることを懸念。約1年間にわたり、デモ行進や反対演説集会、県知事への陳情などで激しく対抗し、県の仲裁と同社が大分県に工場建設を決めたことで契約は破棄された。
 牧平さんは2年前、身辺を整理する中で昭和50年代に出版された闘争記を発見。「これは歴史に残すべきものだと確信した。ぜひ、この地域の方々に知ってもらい、きれいな環境を残す意識を持ってもらいたい」と書籍化を決意した。数冊の文献から抜粋し、時系列にまとめ、反対派だった中心人物の親族から当時の新聞のスクラップを借りたり、海と漁民の歴史に詳しいフリーライターの協力を得たりして編集した。
 大衆運動で阻止しただけでなく、工場の排水が漁業に与える被害の裏付けを取るため滋賀、岡山、広島各県などを視察し、運動を通じて水質汚濁防止法制定への機運を高めた点も高く評価されている。「近代の漁民運動史において化学工場誘致に対し、水質汚染を予測して阻止した希少な事例」と牧平さんは話す。
 A5判、183㌻。価格は1200円(税別)。豊橋市内の精文館、豊川堂で販売している。
(飯塚雪)

「海は汚させない」を手にする執筆者の牧平さん=豊橋市日色野町で
「海は汚させない」を手にする執筆者の牧平さん=豊橋市日色野町で

カテゴリー:社会・経済

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