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オウム13人死刑で豊橋の河野さん会見

オウム真理教事件で死刑が執行され、記者会見で心境を語る河野さん=豊橋市役所で
オウム真理教事件で死刑が執行され、記者会見で心境を語る河野さん=豊橋市役所で

 地下鉄サリン事件などを引き起こした一連のオウム真理教事件をめぐり、法務省は26日、死刑が確定した教団元幹部6人の刑を執行した。今月6日には、教団元代表ら7人の死刑を執行しており、13人全員の執行を終えた。松本サリン事件で被害者となり、捜査対象にもされた豊橋市の河野義行さん(68)は同日、市内で記者会見し「宗教はもともと人を幸せにするものだが、結果的に自分自身や自分の家族、市民の多くを不幸にしてしまった。非常に残念。死刑執行は悲しい出来事。そんな思いがします」と心境を述べた。
 1994(平成6)年、長野県松本市内で発生したサリンの散布で、当時、河野さんは被害を受けるだけでなく、容疑者扱いされ、報道被害を受けた。
 河野さんは「人の命はかけがえのないもの。人の手によって失われるのは反対」と死刑制度に対する基本的な考えを説明。「執行は法律だから責めることはできない」とした上で、オウム死刑囚13人全員の死刑執行に「真意は分からなくなった。法律的には刑が確定しているが、『本当にやったの』と聞きたかった」との思いを明かした。
 サリン被害を受けた妻も亡くした河野さん。「突然苦しみ、心肺停止になり、14年経って亡くなった。オウム真理教がやったと言っても分からない。体を動かせず、しゃべることもできなかったから、亡くなった時、言ったのは『やっと自由になれたね』」と振り返り、死刑執行に「「(妻に)あえて言わなくても見えているし、伝えていない」と話した。
 今後、一連の事件の風化が懸念されるが「風化していくことを止めることはできない。私にとっては、人生で不幸な出来事だが、現実であって受け入れるしかない。人生のひとコマであってよしとしている」と心情を吐露。ただ、松本サリン事件などを通じ、報道や警察の捜査など複数の反省点を挙げ「教訓があったと思う。それぞれの仕事をわきまえ、やっていくことではないか」と指摘した。
 豊橋に戻って2年余り。今後の生活に関しては「穏やかな生活で暮らしていきたい」と話した。
(中村晋也)

 地下鉄サリン事件などを引き起こした一連のオウム真理教事件をめぐり、法務省は26日、死刑が確定した教団元幹部6人の刑を執行した。今月6日には、教団元代表ら7人の死刑を執行しており、13人全員の執行を終えた。松本サリン事件で被害者となり、捜査対象にもされた豊橋市の河野義行さん(68)は同日、市内で記者会見し「宗教はもともと人を幸せにするものだが、結果的に自分自身や自分の家族、市民の多くを不幸にしてしまった。非常に残念。死刑執行は悲しい出来事。そんな思いがします」と心境を述べた。
 1994(平成6)年、長野県松本市内で発生したサリンの散布で、当時、河野さんは被害を受けるだけでなく、容疑者扱いされ、報道被害を受けた。
 河野さんは「人の命はかけがえのないもの。人の手によって失われるのは反対」と死刑制度に対する基本的な考えを説明。「執行は法律だから責めることはできない」とした上で、オウム死刑囚13人全員の死刑執行に「真意は分からなくなった。法律的には刑が確定しているが、『本当にやったの』と聞きたかった」との思いを明かした。
 サリン被害を受けた妻も亡くした河野さん。「突然苦しみ、心肺停止になり、14年経って亡くなった。オウム真理教がやったと言っても分からない。体を動かせず、しゃべることもできなかったから、亡くなった時、言ったのは『やっと自由になれたね』」と振り返り、死刑執行に「「(妻に)あえて言わなくても見えているし、伝えていない」と話した。
 今後、一連の事件の風化が懸念されるが「風化していくことを止めることはできない。私にとっては、人生で不幸な出来事だが、現実であって受け入れるしかない。人生のひとコマであってよしとしている」と心情を吐露。ただ、松本サリン事件などを通じ、報道や警察の捜査など複数の反省点を挙げ「教訓があったと思う。それぞれの仕事をわきまえ、やっていくことではないか」と指摘した。
 豊橋に戻って2年余り。今後の生活に関しては「穏やかな生活で暮らしていきたい」と話した。
(中村晋也)

オウム真理教事件で死刑が執行され、記者会見で心境を語る河野さん=豊橋市役所で
オウム真理教事件で死刑が執行され、記者会見で心境を語る河野さん=豊橋市役所で

カテゴリー:社会・経済

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