戦争の悲劇伝える豊川海軍工廠展

　豊川市桜ヶ丘ミュージアム１階の第５・６展示室などで、米軍の空襲で２５００人以上が犠牲となった豊川海軍工廠（しょう）の悲劇を伝える「豊川海軍工廠展」（豊川市主催）が今年も開かれている。９月２日まで。
　空襲の体験者らが描いた絵や、工廠の歴史を振り返るパネルなど61点を展示。今年は新たに、工廠勤務の皆勤者や、柔道やバレーボールなどのスポーツで励んだ人に贈られた表彰状11点と写真を展示している。
　中には空襲から３日後に贈られた賞状に、「豊川市大空襲」と書かれた珍しいものも。国民の戦意を高揚させる標語募集で１等に贈られた賞状の説明文では、副賞として賞金２００円が贈られたが、当時は賞金を受け取ることがはばかられる雰囲気や、辞退することを美談とする風潮があったことも紹介されている。
　この他、海軍を表すいかりのマークと波の模様が彫られた消火栓や、長さ１５０㌢にもなる５００ポンド爆弾の大きさが実感できる模型なども展示されている。
　入場無料。月曜休館。５日午後２時からは学芸員による展示資料の解説も行われる。
（由本裕貴）