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南海トラフ地震を想定 豊橋市総合防災訓練

倒壊家屋で救出作業をする隊員ら=豊橋総合スポーツ公園で
倒壊家屋で救出作業をする隊員ら=豊橋総合スポーツ公園で
避難路の目印となるサーフボード=小松原海岸で
避難路の目印となるサーフボード=小松原海岸で

 南海トラフ地震を想定した豊橋市総合防災訓練が2日、同市神野新田町の豊橋総合スポーツ公園などであり、県や市、県警、消防、自衛隊、住民ら50機関、約1700人と災害救助犬2頭が参加した。
 午前9時に太平洋沖を震源とする地震が発生、同市では震度7を観測し、愛知県外海や三河湾に大津波警報が発表された想定で行われた。
 メイン会場のスポーツ公園では、ドローン飛行隊「RED GOBLINS」が上空からの映像で被災状況を伝える中、建設協会などが重機などを使って道をふさいだ車両を移動、消防や自衛隊などが連携して、倒壊や土砂に埋まった家屋、座屈ビルなどに取り残された人や負傷者を救出する実動訓練を実施した。多数の負傷者に対する応急処置やトリアージなどの医療救護訓練や、大規模火災に対する一斉放水も行った。活動中に余震が発生するなど実践的なシナリオが組まれた。
 サテライト会場の一つ、吉田方小学校では避難所や応急救護所の開設や運営訓練などがあったほか、同校区青パト隊による被災時の盗難などの犯罪抑止パトロールもあり、住民参加を中心にした訓練を実施した。
 佐原光一市長は、各機関での訓練の成果とそれを現場で生かすための努力が表れていたと講評し、「いつ何時災害や困難に遭っても、立ち向かうことができる体制を作っていきたい」と述べた。
(井嶋義典)

高台へ向かうサーファーら

 もう一つの訓練会場となった表浜海岸の小松原海岸では、高台への避難、誘導訓練などを行った。
 この中で、海岸の後背地・標高40㍍まで上れる避難路が新たに設けられ、初の訓練が実施された。上り口には目印のサーフボードが置かれ、サーファーや海岸利用者、地元の人らが急斜面の森の中を歩き、高台へ向かった。
 早い人は6分半、遅くとも8分ほどで上がれ、整備にあたった表浜の保全活動などに取り組むNPO法人表浜ネットワークは「急な道だが、いざという時には役に立つ」と話した。
 表浜海岸には、東西に約1㌔ごとで道路があるが、道幅が狭く、車がすれ違うのがやっと。万が一、津波が襲来すれば、この道に車や人が殺到することが懸念され、同ネットワークは15年前から避難路整備を訴えていた。
 個人、自治会が所有する海岸背後地の土地が課題になっていたが、同ネットワークは時間をかけて住民や小松原町自治会などと話し合い、避難路を設けることができた。同ネットワークは「地元の皆さんや海岸近くにある(福祉施設の)王寿園の協力のおかげ」と話し、今後、他の自治会などにも理解を求め、避難路を増やしていく方針だ。
 避難路の維持も重要とし、表浜で活動する企業・団体ボランティアに「手入れにも目を向けてもらえれば
」と話していた。
(中村晋也)

 南海トラフ地震を想定した豊橋市総合防災訓練が2日、同市神野新田町の豊橋総合スポーツ公園などであり、県や市、県警、消防、自衛隊、住民ら50機関、約1700人と災害救助犬2頭が参加した。
 午前9時に太平洋沖を震源とする地震が発生、同市では震度7を観測し、愛知県外海や三河湾に大津波警報が発表された想定で行われた。
 メイン会場のスポーツ公園では、ドローン飛行隊「RED GOBLINS」が上空からの映像で被災状況を伝える中、建設協会などが重機などを使って道をふさいだ車両を移動、消防や自衛隊などが連携して、倒壊や土砂に埋まった家屋、座屈ビルなどに取り残された人や負傷者を救出する実動訓練を実施した。多数の負傷者に対する応急処置やトリアージなどの医療救護訓練や、大規模火災に対する一斉放水も行った。活動中に余震が発生するなど実践的なシナリオが組まれた。
 サテライト会場の一つ、吉田方小学校では避難所や応急救護所の開設や運営訓練などがあったほか、同校区青パト隊による被災時の盗難などの犯罪抑止パトロールもあり、住民参加を中心にした訓練を実施した。
 佐原光一市長は、各機関での訓練の成果とそれを現場で生かすための努力が表れていたと講評し、「いつ何時災害や困難に遭っても、立ち向かうことができる体制を作っていきたい」と述べた。
(井嶋義典)

高台へ向かうサーファーら

 もう一つの訓練会場となった表浜海岸の小松原海岸では、高台への避難、誘導訓練などを行った。
 この中で、海岸の後背地・標高40㍍まで上れる避難路が新たに設けられ、初の訓練が実施された。上り口には目印のサーフボードが置かれ、サーファーや海岸利用者、地元の人らが急斜面の森の中を歩き、高台へ向かった。
 早い人は6分半、遅くとも8分ほどで上がれ、整備にあたった表浜の保全活動などに取り組むNPO法人表浜ネットワークは「急な道だが、いざという時には役に立つ」と話した。
 表浜海岸には、東西に約1㌔ごとで道路があるが、道幅が狭く、車がすれ違うのがやっと。万が一、津波が襲来すれば、この道に車や人が殺到することが懸念され、同ネットワークは15年前から避難路整備を訴えていた。
 個人、自治会が所有する海岸背後地の土地が課題になっていたが、同ネットワークは時間をかけて住民や小松原町自治会などと話し合い、避難路を設けることができた。同ネットワークは「地元の皆さんや海岸近くにある(福祉施設の)王寿園の協力のおかげ」と話し、今後、他の自治会などにも理解を求め、避難路を増やしていく方針だ。
 避難路の維持も重要とし、表浜で活動する企業・団体ボランティアに「手入れにも目を向けてもらえれば
」と話していた。
(中村晋也)

倒壊家屋で救出作業をする隊員ら=豊橋総合スポーツ公園で
倒壊家屋で救出作業をする隊員ら=豊橋総合スポーツ公園で
避難路の目印となるサーフボード=小松原海岸で
避難路の目印となるサーフボード=小松原海岸で

カテゴリー:社会・経済

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