半島に秋告げる「田原祭り」

　田原市の市街地５町で始まった「田原祭り」は15日、からくり人形を載せた新町、萱町、本町の昼山車３台（市有形民俗文化財）がゆっくりと引き回され、笛や太鼓のお囃子（はやし）が響いた。時折、小雨が降る中、午後からは夜山車（よやま）が登場し、一帯は祭り一色に染まった。
　渥美半島に秋の訪れを告げる田原祭りは江戸時代を起源とし、14日の新町・八幡社の宵祭りを皮切りに始まった。
　豪華な昼山車３台は各町を巡回し、正午すぎには田原まつり会館に集結、お囃子を競演した。笛や太鼓の音色に合わせ、からくり人形がユーモラスな動きを見せ、集まった多くの住民や観光客らを引きつけた。カメラを向ける人の姿も目立った。
　昼山車の見せ場は、曲がり角での「車切り」。男衆が息を合わせ、高さ６㍍前後の山車をきしませながら、見事なかじ取りを見せた。
　この日は、市内で開幕したサーフィン大会「２０１８アーバンリサーチＩＳＡワールドサーフィンゲームス」のパレードが市街地で行われ、選手らが山車を見たり、祭りに参加している子どもらと触れ合ったりする姿もあった。
　明かりに彩られた夜山車では、子どもや若者らが踊ったほか、夜まで若者らのにぎやかな歓声が響き渡り、祭りムードは最高潮に達した。
　最終日の16日も３町の昼山車が繰り出し、午前11時50分には三河田原駅前に集結。午後からは大筒神輿（みこし）が巡行し、午後５時半から手筒・大筒花火が揚げられる。午後８時からは打ち上げ花火などが始まり、夜空を鮮やかに染める。
（中村晋也）