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実績上げる愛大豊橋「教職課程センター」

学生による模擬授業。開設5年目、多くの取り組みが実を結んでいる=愛知大学豊橋校舎で
学生による模擬授業。開設5年目、多くの取り組みが実を結んでいる=愛知大学豊橋校舎で

 教員志望の在学生や卒業した現役教師らを教職課程の専任教員を中心としたスタッフがサポートする、愛知大学名古屋校舎と豊橋校舎の「教職課程センター」(岡田圭二所長)。開設5年目となる豊橋センター室での教員採用試験結果は、2017年度が在籍者数34人で合格数20(合格者数18)、18年度採用は在籍者40人で合格数26(同22)。熱のこもる支援で実績を上げ、「教員になりたい」という志望理由で同大を受験する人も増えているという。
 同センター室常駐で支援にあたるのは、作中久雄・事業主任ら。作中主任は2008年まで豊橋市立松山小に勤務、愛知教育大講師を経て同センターへ。教員時代のノウハウや人脈を生かしたきめ細かな指導に定評がある。
 同センター室では地元市教委と連携を密にし、教職インターンシップや学習チューターを積極的に実施。1年生でチューター、2~4年はインターンシップ校で生の教育を学ぶ。開設時はチューター6人、教職インターン22人だったが、今年度はチューター75人、インターンは175人と激増。豊橋キャンパス隣の栄小学校では、特に多くのチューターを受け入れてもらっている。
 毎年同じ学校で継続体験する学生が多く、登校指導から部活動まで1日の流れを経験するほか、学芸会などの催しにも積極的に参加。面接試験の際、教育現場について具体的な話をすることができるようになるという。
 現職教員から現場での苦労や学びの経験を聴く「先輩教師に学ぶ会」も年7~8回開催。勉強法や現場での苦労などを教わるもので、年の近い先輩が講師を務めるため、学生たちの将来のイメージもわきやすいそうだ。
 また、在学生と現職教員、教職経験者らが参加する「教職研究セミナー」を年1回開催。昨年11月に学生による模擬授業、基調講演、懇親会など行った。模擬授業では生徒役を学生やOB、教職員が務め積極的に助言、授業力の向上を図った。
 筆記・論文試験はもちろん、面接対策にも力を入れる。試験の約1年前、3年の夏から本格的な実践練習を開始。計8回行う面接模擬試験では、前半は4年生、後半には現職校長や教員経験者らが面接官を務め、丁寧に指導。緊張感ある面接が体験できるため、本番で「全く緊張しなかった」学生もいるそうだ。
 「育てているのはちょっとしたことに“気付く力”」と作中主任。「良い先生になろうという気持ちの無い人や努力を惜しむ人が教師になったら、子どもも保護者も同僚も大変。心構えが大切で、本当に良い先生になりたい思いが、気付く心を生む」と説く。「人間は努力すればしただけ変わる。教育は人間を変える仕事。自分が変わる経験をしなくちゃ」とも。
 「今年、『“あそこなら教員になれる”と高校で勧められて』と入学した学生がいて驚いた」と作中主任。高い実績と評判は全国的に知られつつあるようだ。
(田中博子)

 教員志望の在学生や卒業した現役教師らを教職課程の専任教員を中心としたスタッフがサポートする、愛知大学名古屋校舎と豊橋校舎の「教職課程センター」(岡田圭二所長)。開設5年目となる豊橋センター室での教員採用試験結果は、2017年度が在籍者数34人で合格数20(合格者数18)、18年度採用は在籍者40人で合格数26(同22)。熱のこもる支援で実績を上げ、「教員になりたい」という志望理由で同大を受験する人も増えているという。
 同センター室常駐で支援にあたるのは、作中久雄・事業主任ら。作中主任は2008年まで豊橋市立松山小に勤務、愛知教育大講師を経て同センターへ。教員時代のノウハウや人脈を生かしたきめ細かな指導に定評がある。
 同センター室では地元市教委と連携を密にし、教職インターンシップや学習チューターを積極的に実施。1年生でチューター、2~4年はインターンシップ校で生の教育を学ぶ。開設時はチューター6人、教職インターン22人だったが、今年度はチューター75人、インターンは175人と激増。豊橋キャンパス隣の栄小学校では、特に多くのチューターを受け入れてもらっている。
 毎年同じ学校で継続体験する学生が多く、登校指導から部活動まで1日の流れを経験するほか、学芸会などの催しにも積極的に参加。面接試験の際、教育現場について具体的な話をすることができるようになるという。
 現職教員から現場での苦労や学びの経験を聴く「先輩教師に学ぶ会」も年7~8回開催。勉強法や現場での苦労などを教わるもので、年の近い先輩が講師を務めるため、学生たちの将来のイメージもわきやすいそうだ。
 また、在学生と現職教員、教職経験者らが参加する「教職研究セミナー」を年1回開催。昨年11月に学生による模擬授業、基調講演、懇親会など行った。模擬授業では生徒役を学生やOB、教職員が務め積極的に助言、授業力の向上を図った。
 筆記・論文試験はもちろん、面接対策にも力を入れる。試験の約1年前、3年の夏から本格的な実践練習を開始。計8回行う面接模擬試験では、前半は4年生、後半には現職校長や教員経験者らが面接官を務め、丁寧に指導。緊張感ある面接が体験できるため、本番で「全く緊張しなかった」学生もいるそうだ。
 「育てているのはちょっとしたことに“気付く力”」と作中主任。「良い先生になろうという気持ちの無い人や努力を惜しむ人が教師になったら、子どもも保護者も同僚も大変。心構えが大切で、本当に良い先生になりたい思いが、気付く心を生む」と説く。「人間は努力すればしただけ変わる。教育は人間を変える仕事。自分が変わる経験をしなくちゃ」とも。
 「今年、『“あそこなら教員になれる”と高校で勧められて』と入学した学生がいて驚いた」と作中主任。高い実績と評判は全国的に知られつつあるようだ。
(田中博子)

学生による模擬授業。開設5年目、多くの取り組みが実を結んでいる=愛知大学豊橋校舎で
学生による模擬授業。開設5年目、多くの取り組みが実を結んでいる=愛知大学豊橋校舎で

カテゴリー:地域・教育

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