注目を集める豊橋発のバンド「ポタリ」

　豊橋発のガールズロックバンド「ポタリ」に注目が集まっている。ＣＭに楽曲が使われ、今月、初の東名阪ワンマンライブも始まった。「地元の人が自慢したくなるバンドになりたい」。メンバーはきょうも、自ら運転するワゴン車で全国のライブ会場に駆けつける。
　「コンチクワ！」、ボーカル鈴木奈津美（25）がお決まりの掛け声で会場を盛り上げる。
　女の子たちのリアルを紡いだ歌詞を、鈴木のガラスのように繊細で、高く舞い上がる声が観客へと届ける。メンバーの明るく元気なキャラクターと、ポップなメロディーに集まった老若男女の観客は体を揺らし盛り上がる。
　ポタリは豊川市出身の鈴木とギター中西詠美（25）茄子川（25）、岡崎市の内田愛子（25）からなる４人組で、豊橋のライブハウスを拠点に活動してきた。
　鈴木が高校入学直前、チェーンメールで行ったバンド募集に中西が応じた。２０１０（平成22）年に茄子川が加わり「ポタリ」として活動をスタート。２年後にベースの内田も加入して現在のメンバーになった。
　歌詞は、全国各地のライブ会場に向かう車内で語られる恋愛話を基に鈴木が書く。「ナツ（鈴木）の歌詞はすごくメルヘン。３人で分かりやすく、リアリティのある歌詞に直したりする」と笑う中西。追求するのは「等身大の女の子」。作曲は鈴木の鼻歌を３人が音にするのがポタリ流だ。
　12年７月、東海地区限定のバンドを対象にしたオーデションで見事グランプリを獲得。その後、「サンデーフォークプロモーション」が立ち上げたレーベルからシングル６枚、アルバム１枚を発売し、３月には７枚目のシングル「ハルノカゼ」をリリースする。
　初の応援歌で４枚目のシングル「ＧＯＯＤ　ＬＵＣＫ」は、車販売店のＣＭソングに起用。昨年10月発売の「ナイショ　ナイショ」には切ないラブソングも収録し、25歳となったメンバーは「少女から大人の女性へ」と新たな一面も見せる。
　昨年の「豊橋まつり」では初めてエンディングに登場。「豊橋のバンドと認められた気がした」と話し、輝きを増した姿を地元の人たちに見せた。
　リリースのたびに売り上げを伸ばし、今月７日の大阪・心斎橋を皮切りに始まった初の東名阪ワンマンライブツアーは、14日の名古屋最終公演を残すばかりとなった。
　「目標は武道館２デイズソールドアウト」。メンバーの笑顔がはじけた。（敬称略）
（飯塚雪）