2018回顧 豊川市
豊川市の2018年は「過去から未来へ」の転換期に位置付けられる年だった。戦争の悲劇を後世に残すランドマークが誕生した一方で、三河湾に御津港が完成し、八幡地区の大企業跡地でも跡地利用の方針が次々と示された。歴史保存から、産業振興を主体とした今後のまちづくりへ。豊川市が新たな道を歩み出した。
6月9日、終戦直前の米軍の空襲で2500人以上が犠牲となった豊川海軍工廠(しょう)跡地に「豊川市豊川海軍工廠平和公園」が開園。戦時中の遺構を多く残す国内でも珍しいスポットとして、新たな平和のランドマークには約半年で約4万人が訪れている。
市長初当選時の公約を実現させた山脇実市長は遺構保存に区切りをつけ、少子高齢化や人口減少対策のため、平和公園東側の土地を名古屋大学から買い取り、企業を誘致する事業を開始した。
4月26日には、御津町御幸浜の御津1区に三河湾御津ふ頭1号岸壁が完成。津波や高潮の恐れから企業誘致に苦戦していた御津1区にも、製造や物流の企業が少しづつ進出している。
そして、夏に撤退した八幡地区のスズキ跡地で進む大型商業施設イオンモールの進出計画について、市は近隣の住宅街や市民病院に配慮した交通渋滞対策を発表。イオンモール側は早くて4年後のオープンを見据えており、市は来年夏を目標に計画地の用途地域変更を行う。
これらに加え、市は重大な方針を固めた。負債が膨らんだ諏訪地区の複合商業施設プリオを2019年度中に買収し、公設民営で新たな企業に託す形で検討に入った。スズキ跡地隣の日立跡地で進む新文化会館などの整備計画と合わせて、来年も八幡、諏訪地区の動向が注目される。
(由本裕貴)
豊川市の2018年は「過去から未来へ」の転換期に位置付けられる年だった。戦争の悲劇を後世に残すランドマークが誕生した一方で、三河湾に御津港が完成し、八幡地区の大企業跡地でも跡地利用の方針が次々と示された。歴史保存から、産業振興を主体とした今後のまちづくりへ。豊川市が新たな道を歩み出した。
6月9日、終戦直前の米軍の空襲で2500人以上が犠牲となった豊川海軍工廠(しょう)跡地に「豊川市豊川海軍工廠平和公園」が開園。戦時中の遺構を多く残す国内でも珍しいスポットとして、新たな平和のランドマークには約半年で約4万人が訪れている。
市長初当選時の公約を実現させた山脇実市長は遺構保存に区切りをつけ、少子高齢化や人口減少対策のため、平和公園東側の土地を名古屋大学から買い取り、企業を誘致する事業を開始した。
4月26日には、御津町御幸浜の御津1区に三河湾御津ふ頭1号岸壁が完成。津波や高潮の恐れから企業誘致に苦戦していた御津1区にも、製造や物流の企業が少しづつ進出している。
そして、夏に撤退した八幡地区のスズキ跡地で進む大型商業施設イオンモールの進出計画について、市は近隣の住宅街や市民病院に配慮した交通渋滞対策を発表。イオンモール側は早くて4年後のオープンを見据えており、市は来年夏を目標に計画地の用途地域変更を行う。
これらに加え、市は重大な方針を固めた。負債が膨らんだ諏訪地区の複合商業施設プリオを2019年度中に買収し、公設民営で新たな企業に託す形で検討に入った。スズキ跡地隣の日立跡地で進む新文化会館などの整備計画と合わせて、来年も八幡、諏訪地区の動向が注目される。
(由本裕貴)