豚コレラ拡大で田原の養豚団地すべて殺処分

　県は14日、田原市の養豚農場で新たな豚コレラの疑似患畜が発生したとして県豚コレラ緊急対策会議（議長・大村秀章知事）を開いた。夕方の会議では、同農場のある養豚団地のすべての豚を殺処分することを報告した。

　農林水産省が養豚団地全体で防疫措置を講じることを判断した。団地内の二つの農場で発生しており、共同の施設や車両などを介して他の農場にウイルスが侵入している可能性が極めて高いとした。団地内は約１万４０００頭が飼育されている。
　新たに疑似患畜が発生したのは、13日に県内２例目の豚コレラ疑似患畜が確定した農場に隣接する別の農場で、県は13日、特定家畜伝染病防疫指針に基づき、２例目発生農場のある養豚団地内の１２農場の発生状況確認検査を実施。１４日午前８時４５分、うち１農場から豚コレラＰＣＲ検査陽性の判定が出たため、農林水産省に報告、疑似患畜と確定した。
　農林水産省は今回の疑似患畜を１３日に確定した田原市の２例目の関連と位置付けており、これで県内の豚コレラは豊田市の１例目（豊田市の発生農場と田原市の関連農場）、１３日に確定した田原市の２例目（発生農場と関連２農場）の２例５農場となった。
　新たに疑似患畜が出た農場は、第２例発生農場の移動制限区域内だが、県では改めてすべての豚、物品などについて移動を制限する措置を取るとともに同農場への出入り口を１カ所にして関係者以外の立ち入りを禁止した。
　同農場は、繁殖豚１３９頭、肥育豚１０４０頭、計１１７９頭（昨年２月１日現在）の豚を飼養しており、県では同日午後から飼養全頭の殺処分に着手していた。
　大村知事は、午前の対策会議で「緊急事態。防疫と感染拡大防止に全力を注入。自衛隊にも応援出動を要請する。とにかく（豚コレラを）抑え込み、１日も早く農家が立ち直れるようにしたい。職員はそれぞれの役割を迅速にこなしてもらいたい」と指示した。
　県では２例目発生農場から３㌔圏内にあるすべての養豚農場の検査を進めており、県の検査で陽性となった場合は、直ちに農林水産省へ報告。防疫体制を固めるとともに感染経路などを徹底的に調査する。
（後藤康之）

豊橋総合動植物公園がミニブタに予防措置

　田原市で豚コレラが発生したのを受け、豊橋総合動植物公園（のんほいパーク）は14日、飼育しているミニブタ３頭を飼育管理棟内の動物入院施設に隔離したと発表した。
　同施設は外部から完全に隔離され、出入りも制限された屋内施設。ミニブタ獣舎内で隔離していたが、園内への豚コレラ侵入防止を徹底するため、今月７日から、さらに厳重な同施設へ移している。
（中村晋也）