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高校野球愛知大会 桜丘

カテゴリー:スポーツ / 特集

6回、仲間の声援を受け、勝ち越しの右越え打を放つ桜丘・伊藤大=岡崎市民球場で
6回、仲間の声援を受け、勝ち越しの右越え打を放つ桜丘・伊藤大=岡崎市民球場で
攻守で仲間を引っ張る桜丘・藤代=同
攻守で仲間を引っ張る桜丘・藤代=同

 高校野球夏の愛知大会は25日、準々決勝があり、桜丘が4-3で安城東を下し初の4強進出を決めた。1点ビハインドの6回、伊藤大貴捕手(3年)の適時打などで逆転。おなじみの堀尾陸投手(3年)、吉見拓真投手(3年)の継投で逃げ切った。豊川は至学館相手に試合を優位に進めたが、降雨ノーゲームで再試合となった。

桜丘初のベスト4進出 甲子園まであと2勝

 快晴、気温31度。7月の梅雨明け間近の岡崎で、遅咲きの桜が咲いた。桜丘が夏の大会では学校初のベスト4進出だ。
 6回の攻撃、吉見の適時打で3-3の同点とすると、なおも2死三塁。「いけー!小さくなるなー!」と杉澤哲監督の大声が響く。スタンドの大歓声を浴びるのは8番・伊藤大貴捕手(3年)。「普段は物静かなタイプの子」(杉澤監督)という伊藤大は一打勝ち越しの場面で、静かな闘志を燃やしながら、ゆっくりとバッターボックスへ向かった。
 「真っすぐだけを狙って打席に入った」と、安城東の河合が投じたストレートに「『来た!』と思った」。バットの芯で完璧にとらえた打球は高々と舞い、ライトオーバーの適時二塁打となった。ひと振りで学校の歴史を変えるヒーローになった。「(打つことができて)すごく気持ちいいです」。いつもは感情を表に出さない伊藤大も、この日ばかりはサクラのような満面の笑みを咲かせた。
 杉澤監督は「伊藤はよく打ってくれた」と称賛。壮絶な打ち合いの大激戦となった豊橋中央戦に続く逆転勝利に「選手たちのあきらめない、前向きな姿勢が勝因。次の試合も1年間やってきた野球をやり切れるよう(中2日間で)調整したい」と気を引き締めた。初の甲子園出場という大輪の花を咲かすまで、あと2勝だ。

準々決勝
安城東
003000000|3
00200200X|4
桜丘
(安)河合―大見
(桜)堀尾、吉見―伊藤大
(岡崎市民球場)

全芯全霊
主将の藤代が最終回にダイビングキャッチで勝利

 「何があっても雰囲気が盛り下がらないよう、声を出し続けた」と桜丘の主将・藤代実成外野手(3年)。3回に先発・堀尾が3点を失うが、主将の気迫に応えるように、その裏、打線が流れを引き寄せる。
 1死一、三塁から3番・森の犠飛で1点をもぎ取り、続く堀尾が2死二塁から自らのバットで中前適時打を放ち、2点を返した。その後はスコアボードに0が並ぶも6回、伊藤大の適時打などでついにリードを奪った。
 1点差で迎えた9回表の守備、2死三塁と一打同点のピンチを迎えた。6回途中からマウンドを託された吉見が投じた、この日41球目。打球はセンター方向へ舞い上がった。「正直あまり覚えていない。体が勝手に反応した」と中堅手の藤代。俊足を飛ばし、落ちてくるボールに食らいつくようにダイビングキャッチ。一瞬の沈黙の後、桜丘スタンドから大歓声が巻き起こった。頼れる主将が、白球と共に勝利をつかみ取った。
 「1年生の時から仁枝コーチのノックを受けてきたおかげ。いつもやっていた練習が生きた」と笑顔。準決勝へ「ここまで来たら、技術ではなく気持ち。気持ちが守りに入らないようにしたい」と決意を語った。
(木村裕貴)

 高校野球夏の愛知大会は25日、準々決勝があり、桜丘が4-3で安城東を下し初の4強進出を決めた。1点ビハインドの6回、伊藤大貴捕手(3年)の適時打などで逆転。おなじみの堀尾陸投手(3年)、吉見拓真投手(3年)の継投で逃げ切った。豊川は至学館相手に試合を優位に進めたが、降雨ノーゲームで再試合となった。

桜丘初のベスト4進出 甲子園まであと2勝

 快晴、気温31度。7月の梅雨明け間近の岡崎で、遅咲きの桜が咲いた。桜丘が夏の大会では学校初のベスト4進出だ。
 6回の攻撃、吉見の適時打で3-3の同点とすると、なおも2死三塁。「いけー!小さくなるなー!」と杉澤哲監督の大声が響く。スタンドの大歓声を浴びるのは8番・伊藤大貴捕手(3年)。「普段は物静かなタイプの子」(杉澤監督)という伊藤大は一打勝ち越しの場面で、静かな闘志を燃やしながら、ゆっくりとバッターボックスへ向かった。
 「真っすぐだけを狙って打席に入った」と、安城東の河合が投じたストレートに「『来た!』と思った」。バットの芯で完璧にとらえた打球は高々と舞い、ライトオーバーの適時二塁打となった。ひと振りで学校の歴史を変えるヒーローになった。「(打つことができて)すごく気持ちいいです」。いつもは感情を表に出さない伊藤大も、この日ばかりはサクラのような満面の笑みを咲かせた。
 杉澤監督は「伊藤はよく打ってくれた」と称賛。壮絶な打ち合いの大激戦となった豊橋中央戦に続く逆転勝利に「選手たちのあきらめない、前向きな姿勢が勝因。次の試合も1年間やってきた野球をやり切れるよう(中2日間で)調整したい」と気を引き締めた。初の甲子園出場という大輪の花を咲かすまで、あと2勝だ。

準々決勝
安城東
003000000|3
00200200X|4
桜丘
(安)河合―大見
(桜)堀尾、吉見―伊藤大
(岡崎市民球場)

全芯全霊
主将の藤代が最終回にダイビングキャッチで勝利

 「何があっても雰囲気が盛り下がらないよう、声を出し続けた」と桜丘の主将・藤代実成外野手(3年)。3回に先発・堀尾が3点を失うが、主将の気迫に応えるように、その裏、打線が流れを引き寄せる。
 1死一、三塁から3番・森の犠飛で1点をもぎ取り、続く堀尾が2死二塁から自らのバットで中前適時打を放ち、2点を返した。その後はスコアボードに0が並ぶも6回、伊藤大の適時打などでついにリードを奪った。
 1点差で迎えた9回表の守備、2死三塁と一打同点のピンチを迎えた。6回途中からマウンドを託された吉見が投じた、この日41球目。打球はセンター方向へ舞い上がった。「正直あまり覚えていない。体が勝手に反応した」と中堅手の藤代。俊足を飛ばし、落ちてくるボールに食らいつくようにダイビングキャッチ。一瞬の沈黙の後、桜丘スタンドから大歓声が巻き起こった。頼れる主将が、白球と共に勝利をつかみ取った。
 「1年生の時から仁枝コーチのノックを受けてきたおかげ。いつもやっていた練習が生きた」と笑顔。準決勝へ「ここまで来たら、技術ではなく気持ち。気持ちが守りに入らないようにしたい」と決意を語った。
(木村裕貴)

6回、仲間の声援を受け、勝ち越しの右越え打を放つ桜丘・伊藤大=岡崎市民球場で
6回、仲間の声援を受け、勝ち越しの右越え打を放つ桜丘・伊藤大=岡崎市民球場で
攻守で仲間を引っ張る桜丘・藤代=同
攻守で仲間を引っ張る桜丘・藤代=同

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