豊橋の越知さん 愛大創設者・本間氏が残した想いなどつづる本出版

　愛知大学の創設者・本間喜一先生顕彰会名誉会長で、同大卒業生の越知專さん（８８）＝豊橋市＝が、「愛知大学本間イズム実践編・日々是新（ひびこれあらたなり）～昭和・平成から令和に向けて」（Ａ４判、１７２㌻）を自費出版した。
　越知さんはこれまで、本間氏の考え方の基本である周囲の人々の喜ぶ姿をみて自分の喜びに感じる「欣然愛人（きんぜんあいじん）」の精神や功績を多くの人に知ってもらおうと、数々の本を出版してきた。今回はその集大成で、本間氏について紹介しながら、越知さんが本間氏の考え方を実践してきた活動について紹介する。
　軍都から文化都市豊橋へ、社会的・文化的活動、アルカディアの３章で構成。第１章の軍都から文化都市豊橋へでは、戦後すぐに本間氏の決断で豊橋に愛知大学が開学することに決まった歴史や、本間氏が実現できなかった夢である農学部の開設に向けた動きなどを伝える。
　第２章の社会的・文化的活動では、越知さんが本間氏の薫陶を受けて実践した、さまざまな活動を中心に紹介。東愛知新聞友の会の会長として会の発展に尽力したことをはじめ、本間氏の生誕地である山形県川西町へ多額の寄付を行い奨学金制度が創設されたこと、同大の応援団や写真研究会への支援などを紹介。さらに２０１８年春、同大地域政策学部内に食農環境コースが新設されたことなどに紙面をさいた。
　第３章のアルカディアでは、川西町にイギリスの女性旅行家イザベラ・バードが訪れた際、「アジアのアルカディア（理想郷）である」と絶賛したことから名付けた章で、越知さんの妻・ツヤ子さんが描いた川西町の風景画などを掲載した。
　越知さんは「私の平成時代は、本間喜一氏の功績を多くの皆さんに伝えることに尽力した３０年でした。令和の時代になりましたが、本間氏の欣然愛人の考え方はどんな時代にも通用します。大学関係者はもとより、地域の皆さんにも本間氏のことを知ってもらいたいです。さらに大学関係者には本間氏の考え方をいつまでも忘れずに、グローバル時代にふさわい大学へと発展させていただきたい」と話す。
　１０００部作成した。東愛知新聞社、豊橋合同印刷（豊橋市東脇４丁目８の１６）などで無料配布する。また豊橋合同印刷（０５３２・３２・５５３３）へ連絡すれば送料７４０円で郵送してもらえる。
（竹下貴信）