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「ほの国」閉店の衝撃㊥

カテゴリー:特集

記者たちの質問に答える林社長=豊橋商工会議所で
記者たちの質問に答える林社長=豊橋商工会議所で

何に失敗したのか

 15日夕、豊橋商工会議所。林恭吾・ほの国百貨店社長が「来年3月での閉店」を発表する会見を行った。
 「お客さまには、ご不便とご迷惑を掛けることになり、おわび申し上げる」
 会見は謝罪の言葉から始まった。「営業終了まで最高の商品とサービスを提供し、最後まで皆さまに愛される百貨店を目指します」。最後の矜持の言葉だった。
 22年前のちょうど11月。バブル経済の崩壊を受けて4大証券会社の一つだった山一證券が「自主廃業」した。
 当時の野澤正平社長が会見で号泣。「社員は悪くありませんから。悪いのはわれわれなんですから」。深々と頭を下げた。バブル崩壊の深刻さを顕著に示した事件であり、シーンだった。多くの人の記憶に残っていよう。
 「ほの国」と通じる点はあるのか。
 林社長の閉店会見の前日の14日午前、ほの国百貨店はお歳暮商戦の出発式を行った。
 閉店の正式発表は15日に行うことを前提にしつつ、林氏は集まった報道陣に「(地方のデパートの閉店が各地で進むのは)時代の流れかもしれません」。
 「(この言葉は)淡々と述べたと報じられた。怒りにも似た違和感を持った」。ある社員が感想を漏らした。
 山一の野澤氏の会見との違いを、その社員は感じたようだ。

「ワン・チーム」の大切さ

 ほの国百貨店の客足は鈍く、「客より店員数の方が多い」という陰口も聞かれた。
 店舗ビルは老朽化し、トイレも快適とは言えない状況で、「大丈夫か」の声は根強く聞かれた。ビルの耐震性への不安も指摘された。
 危険信号はともっていた。誰の目にもそれは映っていた。着実に忍び寄っていた危機に経営陣や社員が対応してきたのか。ほの国は役職員が手を携える「ワン・チーム」だったのか。
 15日の会見で林氏は今後について、「一つの商材に特化した事業にすることも考えられるが、どういう形になるのかは今後の協議による」と説明した。
 数人の幹部だけでなく、役職員が一丸になって今後の「身の振り方」に対応していくことが迫られる。同時にその協議には、広く市民、関係者が智恵を出し合っていくことが欠かせない。

何に失敗したのか

 15日夕、豊橋商工会議所。林恭吾・ほの国百貨店社長が「来年3月での閉店」を発表する会見を行った。
 「お客さまには、ご不便とご迷惑を掛けることになり、おわび申し上げる」
 会見は謝罪の言葉から始まった。「営業終了まで最高の商品とサービスを提供し、最後まで皆さまに愛される百貨店を目指します」。最後の矜持の言葉だった。
 22年前のちょうど11月。バブル経済の崩壊を受けて4大証券会社の一つだった山一證券が「自主廃業」した。
 当時の野澤正平社長が会見で号泣。「社員は悪くありませんから。悪いのはわれわれなんですから」。深々と頭を下げた。バブル崩壊の深刻さを顕著に示した事件であり、シーンだった。多くの人の記憶に残っていよう。
 「ほの国」と通じる点はあるのか。
 林社長の閉店会見の前日の14日午前、ほの国百貨店はお歳暮商戦の出発式を行った。
 閉店の正式発表は15日に行うことを前提にしつつ、林氏は集まった報道陣に「(地方のデパートの閉店が各地で進むのは)時代の流れかもしれません」。
 「(この言葉は)淡々と述べたと報じられた。怒りにも似た違和感を持った」。ある社員が感想を漏らした。
 山一の野澤氏の会見との違いを、その社員は感じたようだ。

「ワン・チーム」の大切さ

 ほの国百貨店の客足は鈍く、「客より店員数の方が多い」という陰口も聞かれた。
 店舗ビルは老朽化し、トイレも快適とは言えない状況で、「大丈夫か」の声は根強く聞かれた。ビルの耐震性への不安も指摘された。
 危険信号はともっていた。誰の目にもそれは映っていた。着実に忍び寄っていた危機に経営陣や社員が対応してきたのか。ほの国は役職員が手を携える「ワン・チーム」だったのか。
 15日の会見で林氏は今後について、「一つの商材に特化した事業にすることも考えられるが、どういう形になるのかは今後の協議による」と説明した。
 数人の幹部だけでなく、役職員が一丸になって今後の「身の振り方」に対応していくことが迫られる。同時にその協議には、広く市民、関係者が智恵を出し合っていくことが欠かせない。

記者たちの質問に答える林社長=豊橋商工会議所で
記者たちの質問に答える林社長=豊橋商工会議所で

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