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トリエンナーレのあり方検討委 知事に調査報告と提言

山梨座長㊧から報告書と提言を受け取る大村知事
山梨座長㊧から報告書と提言を受け取る大村知事

 あいちトリエンナーレのあり方検討委員会(座長・山梨俊夫国立美術館長)は18日、県庁本庁舎2階講堂で最終となる第3回検討委員会を開催。「表現の不自由展・その後」に関するこれまでの調査を取りまとめた「調査報告書」と、今後の「あいちトリエンナーレ」の運営体制についての「提言」を大村秀章知事に提出した。
 報告書では、全体所見として、今回のトリエンナーレは総数で前回を10%以上上回る67万人以上の来場者があり、チケット収入も前回の1・5倍で予想値を7000万円も上回り、総じて成功したと言えるとした上で、「表現の不自由展・その後」については途中で中止する事態になったが、来場者、非来場者に対するアンケートの結果、再開を望む声が多く、再開したことについてはおおむね理解が得られた。
 中止・再開をめぐる一連の事態は、拡大するネット環境によって社会の二極化や分断の進行が表面化するとともに、いわゆる「反知性主義」の存在が可視化されたと分析。「平和の少女像」や「昭和天皇や特攻隊員への侮辱」作品について脅迫や電凸攻撃が相次いだことについて、作品の選定や見せ方、来訪者へのコミュニケーションに問題があった。芸術監督とキュレーターとの連携機能が不十分であった‐ことなどを指摘した。
 一方、今後の提言では「あいちトリエンナーレ」を県のソーシャルイノベーションのプラットフォームとして発展させていくためには、運営体制のレベルアップが不可欠とし、継続的に取り組む常設組織を設け、外部から専門人材を配置する。企業やNPOなどと連携して資金を調達、ダイナミックかつ自律的に動ける独立的な組織をつくる。公益性を担保するとともに、県庁による適切なガバナンスを構築することを上げ、現在、知事が兼務している実行委員会会長を民間から起用することなどを提言した。
 委員会の後、記者会見した山梨座長らは「次回のトリエンナーレの準備は来年4月の新年度からスタートする。年度内にさらに具体的な提言をまとめたい」と話した。
 また、報告と提言を受けた大村知事は「さらに充実したトリエンナーレにするため、真摯に受け止めたい」と話した。
 一方、芸術監督の責任を問われた格好の津田大介芸術監督は、記者会見し「『表現の不自由展・その後』の一連の事態は、県や県警の初動の遅れが原因」などと検討委員会が提出した調査報告書を「津田修正依頼版」として配布。不満を表明した。
(後藤康之)

 あいちトリエンナーレのあり方検討委員会(座長・山梨俊夫国立美術館長)は18日、県庁本庁舎2階講堂で最終となる第3回検討委員会を開催。「表現の不自由展・その後」に関するこれまでの調査を取りまとめた「調査報告書」と、今後の「あいちトリエンナーレ」の運営体制についての「提言」を大村秀章知事に提出した。
 報告書では、全体所見として、今回のトリエンナーレは総数で前回を10%以上上回る67万人以上の来場者があり、チケット収入も前回の1・5倍で予想値を7000万円も上回り、総じて成功したと言えるとした上で、「表現の不自由展・その後」については途中で中止する事態になったが、来場者、非来場者に対するアンケートの結果、再開を望む声が多く、再開したことについてはおおむね理解が得られた。
 中止・再開をめぐる一連の事態は、拡大するネット環境によって社会の二極化や分断の進行が表面化するとともに、いわゆる「反知性主義」の存在が可視化されたと分析。「平和の少女像」や「昭和天皇や特攻隊員への侮辱」作品について脅迫や電凸攻撃が相次いだことについて、作品の選定や見せ方、来訪者へのコミュニケーションに問題があった。芸術監督とキュレーターとの連携機能が不十分であった‐ことなどを指摘した。
 一方、今後の提言では「あいちトリエンナーレ」を県のソーシャルイノベーションのプラットフォームとして発展させていくためには、運営体制のレベルアップが不可欠とし、継続的に取り組む常設組織を設け、外部から専門人材を配置する。企業やNPOなどと連携して資金を調達、ダイナミックかつ自律的に動ける独立的な組織をつくる。公益性を担保するとともに、県庁による適切なガバナンスを構築することを上げ、現在、知事が兼務している実行委員会会長を民間から起用することなどを提言した。
 委員会の後、記者会見した山梨座長らは「次回のトリエンナーレの準備は来年4月の新年度からスタートする。年度内にさらに具体的な提言をまとめたい」と話した。
 また、報告と提言を受けた大村知事は「さらに充実したトリエンナーレにするため、真摯に受け止めたい」と話した。
 一方、芸術監督の責任を問われた格好の津田大介芸術監督は、記者会見し「『表現の不自由展・その後』の一連の事態は、県や県警の初動の遅れが原因」などと検討委員会が提出した調査報告書を「津田修正依頼版」として配布。不満を表明した。
(後藤康之)

山梨座長㊧から報告書と提言を受け取る大村知事
山梨座長㊧から報告書と提言を受け取る大村知事

カテゴリー:社会・経済

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