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中核市の市長メッセージ 手話つきは22市

豊橋市が聴覚障害者団体の要望を受け、新型コロナウイルスに関する市長メッセージ動画に手話をつけた件で、東愛知新聞社は、全国の60中核市の市長メッセージを調査した。この結果、手話があったのは、3分の1の22市にとどまることが分かった。各自治体が情報発信ツールとして動画を配信する例が増えているが、耳の不自由な人ら情報弱者への配慮が十分ではない現状が浮き彫りになった。
 本紙は今月5、6の両日、「あなたの声が、見えない」と題し、コロナ禍で聴覚障害者が思わぬ苦労を強いられている現状を報告した。相手の口元がマスクで覆われていると、口の動きが読めないため、話の内容が十分に理解できなくなるのだ。その中で、聴覚障害者団体が豊橋市長の動画メッセージに手話通訳をつけるよう要望したことを伝えた。
 市は最初、字幕で対応したが、さらに手話通訳をつけた市長のメッセージ動画を配信、本紙はこのことも報道した。
 それでは、他の自治体はどうなのか。その規模が違えば職員数や予算にも差が生じるので、同列に論じるのは難しい。そこで、豊橋市と同じ全国60の中核市を対象に調査した。各市のホームページ(HP)だけでなく、リンクをせずに動画投稿サイト「YouTube」に公式チャンネルを開設しているケースもあるため、それぞれを検索して調べた。
 その結果、60市の中で、ホームページなどにコロナに関する市長動画メッセージを掲載していたのは47市あった。ただ、手話があったのはその半分以下の22市にとどまった。一方で、動画を配信しなかった13市も、文字ではコロナ対策で市民に呼び掛ける市長メッセージを掲載していた。
 厚生労働省の調査(2016年)によると、全国の「聴覚・言語障害者」は34万1000人だった。人口10万人では約300人、中核市なら600人以上が住んでいる計算になる。決して小さい数字ではない。
 コロナに関する市長メッセージ動画はあるものの、手話をつけていなかった市の一つが岡崎市。今月8日、緊急事態宣言が延長された際の市長記者会見を動画にした。市広報課は「会見も急きょ、動画にすることになった。動画の活用そのものがこれからの検討課題だ」と話している。
(山田一晶)

豊橋市が聴覚障害者団体の要望を受け、新型コロナウイルスに関する市長メッセージ動画に手話をつけた件で、東愛知新聞社は、全国の60中核市の市長メッセージを調査した。この結果、手話があったのは、3分の1の22市にとどまることが分かった。各自治体が情報発信ツールとして動画を配信する例が増えているが、耳の不自由な人ら情報弱者への配慮が十分ではない現状が浮き彫りになった。
 本紙は今月5、6の両日、「あなたの声が、見えない」と題し、コロナ禍で聴覚障害者が思わぬ苦労を強いられている現状を報告した。相手の口元がマスクで覆われていると、口の動きが読めないため、話の内容が十分に理解できなくなるのだ。その中で、聴覚障害者団体が豊橋市長の動画メッセージに手話通訳をつけるよう要望したことを伝えた。
 市は最初、字幕で対応したが、さらに手話通訳をつけた市長のメッセージ動画を配信、本紙はこのことも報道した。
 それでは、他の自治体はどうなのか。その規模が違えば職員数や予算にも差が生じるので、同列に論じるのは難しい。そこで、豊橋市と同じ全国60の中核市を対象に調査した。各市のホームページ(HP)だけでなく、リンクをせずに動画投稿サイト「YouTube」に公式チャンネルを開設しているケースもあるため、それぞれを検索して調べた。
 その結果、60市の中で、ホームページなどにコロナに関する市長動画メッセージを掲載していたのは47市あった。ただ、手話があったのはその半分以下の22市にとどまった。一方で、動画を配信しなかった13市も、文字ではコロナ対策で市民に呼び掛ける市長メッセージを掲載していた。
 厚生労働省の調査(2016年)によると、全国の「聴覚・言語障害者」は34万1000人だった。人口10万人では約300人、中核市なら600人以上が住んでいる計算になる。決して小さい数字ではない。
 コロナに関する市長メッセージ動画はあるものの、手話をつけていなかった市の一つが岡崎市。今月8日、緊急事態宣言が延長された際の市長記者会見を動画にした。市広報課は「会見も急きょ、動画にすることになった。動画の活用そのものがこれからの検討課題だ」と話している。
(山田一晶)

カテゴリー:社会・経済 / 政治・行政

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