「内山金子とその時代展」入場者歴代2位

ＮＨＫ朝ドラ「エール」効果

豊橋市中央図書館で23日まで開かれていた「内山金子とその時代展」の入場者が、歴代２位の延べ６３８４人に上っていたことが図書館の集計で分かった。ＮＨＫの連続テレビ小説「エール」のヒロインのモデルとなった豊橋出身の金子を取り上げた企画に、多くの人が足を運んだことが改めて浮き彫りになった。
　時代展は朝ドラのスタート（３月30日）後間もない４月４日に開幕した。しかし同14日から５月24日までは、新型コロナウイルスの感染拡大で中断。実質開催期間は33日となった。また、コロナ対策でせきエチケット、社会的距離の確保を徹底し、「密」にならないよう、入場制限などを実施したこともあった。
　そんな悪環境下でも、これまで古関裕而の影に隠れ、ほとんど名を知られていなかった金子の実像を、新発見の事実も含む詳細な資料で浮き上がらせた内容が、地元の人々にアピールした。
　開幕から12日までのアンケートによると、来場者は女性が中心で、週末は家族連れが目立った。寄せられた声には「わかりやすくて見やすい」「詳しい」「豊橋の人で、すばらしい」「手紙がたくさんあってビックリした」などがあった。また「金子さんのことは知らなかった。ドラマが楽しみ」という同時進行の相乗効果をうかがわせる内容もあった。
　本来なら５月10日には古関夫妻の長男正裕さんによる講演も予定されていたが、コロナで中止になった。実現していればさらに人を集めた可能性がある。講演会は９～10月の開催で調整中という。関連展示としてＮＨＫ主催の「エール展」も今月23日まで開かれていた。
　図書館の歴代入場者数１位は「陸王ロケ風景写真展」（２０１８年１月４日～28日）で１万９５３人で、ドラマ放映直後の企画とあって、あらゆる年齢層の人々が詰めかけたという。
【山田一晶】