榎本さん栽培のブルーベリー注目

　豊川市御津町で榎本佐和子さん（46）が栽培するブルーベリーが注目を集めている。豊橋市で１、２の両日にあった将棋の第61期王位戦第１局で、藤井聡太七段（17）が10種類以上のデザートから選んだ「豊川榎本さんのブルーベリータルト」に使われたためだ。
　榎本さんは９年前に新規就農で栽培を始め、翌年から今回の王位戦の会場となった「ホテルアークリッシュ豊橋」にブルーベリーを納めている。友人からのメールで藤井七段がブルーベリーを食べたことを知り「すごく驚いて叫んでしまった。まさか藤井君の口に入るとは…」。将棋には関心がなかったが「藤井君と同年代の娘がいるので、これで勝てたら『お母さん、うれしい！』」と期待を込めると見事、藤井七段の勝利につながった。
　タルトには、みずみずしい歯ごたえがあるもの、皮が厚く味も濃いタイプなど複数の品種を使っており、ホテルアークリッシュ豊橋の総料理長、今里武さんは「適度に熟し、他と比べ物にならないほど食味や食感がよく、タルトにとても合う」と絶賛する。
　約３５００平方㍍の畑で栽培する榎本さんのブルーベリーは、豊川市内のＪＡひまわりグリーンセンターやフードオアシスあつみなどで販売されている。榎本さんは「目にはもちろん、毎日少しずつ食べると体にいい。夏は凍らせてシャリシャリ食べてほしい」と話している。
　「ホテルアークリッシュ豊橋」内のレストラン「ザ・ガーデン」と、系列でホテル近くの「豊市」、サーラプラザ豊橋内にある「グリーンカフェ」で４日「将棋おやつ」の提供が始まった。
　４日は「豊川産ブルーベリータルト」、両棋士が味わった「どうまい牛乳プリン」などが登場した。話題のブルーベリータルトは、豊市で20個を用意したが飛ぶように売れてさらに10個を追加。それでも昼過ぎに完売した。
ブルーベリーの甘酸っぱさと、クリームの甘さがマッチする。１個４８０円（税別）。ホテルでは、ソフトドリンクを付けて提供。将棋おやつ目当ての来店客もいた。
　さらに８日からはホテルで「将棋めし」の提供を始める。両棋士が食べた「三河鮮魚の海鮮丼」（３５００円）などが味わえる。ホテルは「両棋士が食べて話題になったメニューを、この機会に堪能してください」と話す。
　問い合わせはザ・ガーデン（０５３２・51・１１１８）か、豊市（０５３２・54・３９１１）へ。
【由本裕貴、竹下貴信】