コロナ感染拡大 大村知事「第2波の大きな山」

　県内で23日に新たに判明した新型コロナウイルス陽性患者は、１日としては過去最高の97人となった。同日夕に記者会見した大村秀章知事は「第２波の大きな山が来ている」と述べ、強い危機感を示した。この日夜から、名古屋・栄のテレビ塔とオアシス21を黄色くライトアップし、注意喚起を始めた。午後７時半から同11時まで、当面の間、続けるとしている。
　発表によると、97人のうち、名古屋市が62人。東三河では豊橋市で２人。近隣では豊田市３人、岡崎市２人。
　年代別では20代が50人と最多。30代21人、10代10人で、この世代だけで89％を占める。続いて50代７人、40代４人、70代と80代が各２人、60代が１人。大村知事は「若い人は軽症・無症状の人が95％以上で、元気なので広がっていく。自覚を持って感染予防策をしてほしい」と呼び掛けた。
　１日以降の感染経路を内訳をみると、今月前半は東京など県外由来の感染者が８割以上を占めていたものの、23日現在で21・４％（首都圏由来19・１％、関西圏２・３％）に減り、感染経路不明が過半数の50・３％となった。県内は28・３％。特に感染者が多い20代は１７８人中、93人（52・２％）が感染経路不明となっている。
　県が５月に定めた過去７日間の平均を取る３指標のうち、新規陽性患者は42・86人とさらに増えた。「中等症・重症」の割合も徐々に増え、23日現在で４・６％となっている。同日までの総計は重症３人、中等症13人、軽症３３４人。大村知事は24日更新のツイッターで「入院等は前日比95人増の３３６人。医療提供体制は確保しておりますが、若い方が多く、軽症・無症状の方が95％以上。そうした方々には、医師の判断で自宅療養を含む入院調整をお願いする場合があります」と呼び掛けている。この水準の新規患者があと２日続けば、用意している５００床に迫る勢いになっている。
　23日の全国の新規患者は９８１人。東京都が最多で３６６人。続いて大阪府１０４人。愛知県は３番目に多かった。都内の累計は１万４２０人となっている。
　県は27日に「県新型コロナウイルス感染症検証委員会」の会合を開き、感染者の推移を予測するとともに、新たな対策などについて協議する。
　一方、名古屋・栄では23日夜、黄色く照らし出されたテレビ塔とオアシス広場を若い人がスマートフォンでカメラに収める姿があったが、４連休初日の夜であるにもかかわらず、道行く人は少なかった。
【山田一晶】