12月の県内コロナ新規感染者まとめ

　12月に県内で確認された新型コロナウイルス陽性者は28日現在で５６７９人だった。10月（８６４人）の６・57倍に、第３波が本格化した11月（３８３２人）の１・48倍になっている。不要不急の外出自粛要請や帰省の見合わせが求められているが、正月三が日が明けた後の陽性者数の動向が注目される。一層の感染拡大防止に取り組む必要がある。

　県が第３波の始まりと認定した10月21日の一日あたりの陽性者は36人だった。同31日には97人。そして11月は27日に最多の２３４人が陽性となった。12月は終息の兆しを見せない状況が続き、１日に１９７人、２日には２１９人と再び２００人台となった。28日までに２００人を超えたのは16日。最多は24日の２７０人だった。
　５６７９人の地域別内訳は、名古屋市が２６６０人で46・８％を占めた。比率は前月より２・７ポイント下がった。東三河は豊橋市が１６６人で前月比４人増。医療機関でのクラスター（感染者集団）が発生している。市民病院でクラスターが発生した豊川市が１０２人で63人増、蒲郡市は28人で５人減、新城市が18人で14人増、田原市が20人で８人増だった。奥三河２町村では、東栄町で初の陽性者が出た。
　他地域では、春日井市の２７６人が多かった。前月より72人増。高齢者施設などでのクラスターが起きている。次いで豊田市の２２６人、一宮市の２１６人など。。
　一方、年代別内訳は20代が最も多く１２６６人で前月より３５５人増えた。40代７６５人、30代７４８人、50代７１３人と続く。70代以上の占める割合は18・５％となっており、11月の11・９％より高くなった。
　この影響で、12月１日現在で１２１人だった死者が、28日現在で２０２人と倍近くに増えた。重症、中等症の患者の割合は第２波と変わらず11％弱で推移していることから、重症化しやすい高齢の陽性者数が増えたことが要因となっている。感染は家庭や施設で、「うつらない」「うつさいない」ことが重要だ。
　結局、緊急事態宣言が出されることのないまま、年内を終える見通し。県は「厳重警戒」レベルを変えていない。酒類を提供する店に対し、１月11日までの営業時間短縮が要請されているほか、旅行需要喚起策「Ｇｏ　Ｔｏ　トラベル」などが一時停止されたが、効果は未知数だ。
【山田一晶】