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「たはLab」スタートへ

たはLabを企画立案した吉田さん=田原市中央図書館で
たはLabを企画立案した吉田さん=田原市中央図書館で
使用するタブレットやロボット
使用するタブレットやロボット

プログラミングを学ぶ

 田原市中央図書館は、楽しみながらプログラミングを学ぶ常設の「たはLab(たはらぼ)」をスタートする。今月31日から計3回、キックオフイベントを開催するが、定員5人は告知から2日間で埋まってしまうほどの関心の高さだ。狙いを聞いた。
 企画立案は図書館職員の吉田竜太郎さん(36)。豊橋技術科学大学出身で、図書館勤務は7年目になる。最初の年に司書の資格を取った。
 発想の原点は、毎年受け入れている大学生による職場体験「実務訓練」にあった。数年前、母校から1人の学生がやってきた。どんな仕事もこなしたが、飛び抜けてすごかったのがプログラミングの能力だった。
 学生の自宅は渥美半島先端に近い集落。交通の便がいいとは言えない地域だ。ここで、中学生の頃から独学でプログラミング技術を身に着けていき、高校からさらに専門的知識を得ようと技科大に入ったのだった。
 「パソコンさえあれば学べるプログラミングは、これからの田原の発展に欠かせない」。学生を指導しながら、吉田さんはそう思った。徳島県をはじめとする四国にはITベンチャー企業が集積している。通信インフラが整備されていること、生活費が安いことなどが理由とされる。
 ならば、東京により近く、生活しやすい田原は、十分にITの拠点になるのではないか。リモートワークなど、新型コロナウイルス禍の「新しい生活様式」にマッチするのではないか。
 吉田さんは市にプログラミング教育事業の提言を続けた。そして「たはLab」として実現した。従来の図書館「くつろぎコーナー」がラボになる。
 キックオフイベントは小学4~6年生が対象3回。初回は「スクラッチ」と呼ばれる米マサチューセッツ工科大のグループが開発した小学生でも簡単にプログラミングできるソフトを使い、ゲーム作りに挑戦する。2回目(2月27日)は、プログラミングしたロボットを動かしてみる。3回目(3月27日)は、各種センサーを備えたマイコンボード「マイクロビット」を使い、情報入力と出力を学ぶ。各回2時間。
 今後は、今回は参加できなかった児童向けの教室も予定する。ロボット類は図書館で共有するので参加費はかからない。将来は、ラボの先輩が、後輩を指導してプログラミングを教え、互いに学ぶメンター制ができるようになることを目指すという。
 吉田さんは「今年度から小学校でプログラミング教育が必修化され、関心が高まっている。都市部に比べ、不利な地理的環境をチャンスにもできる。プログラミングの人材が育ち、他地域から人が集まる街になってほしい」と期待を込めた。
 是住久美子館長は「田原市はICTテクノロジーに強い市民づくりが目標。外国の図書館のように、図書館で新技術に触れ、ワクワクできる環境を整備したい」と話した。
【山田一晶】

プログラミングを学ぶ

 田原市中央図書館は、楽しみながらプログラミングを学ぶ常設の「たはLab(たはらぼ)」をスタートする。今月31日から計3回、キックオフイベントを開催するが、定員5人は告知から2日間で埋まってしまうほどの関心の高さだ。狙いを聞いた。
 企画立案は図書館職員の吉田竜太郎さん(36)。豊橋技術科学大学出身で、図書館勤務は7年目になる。最初の年に司書の資格を取った。
 発想の原点は、毎年受け入れている大学生による職場体験「実務訓練」にあった。数年前、母校から1人の学生がやってきた。どんな仕事もこなしたが、飛び抜けてすごかったのがプログラミングの能力だった。
 学生の自宅は渥美半島先端に近い集落。交通の便がいいとは言えない地域だ。ここで、中学生の頃から独学でプログラミング技術を身に着けていき、高校からさらに専門的知識を得ようと技科大に入ったのだった。
 「パソコンさえあれば学べるプログラミングは、これからの田原の発展に欠かせない」。学生を指導しながら、吉田さんはそう思った。徳島県をはじめとする四国にはITベンチャー企業が集積している。通信インフラが整備されていること、生活費が安いことなどが理由とされる。
 ならば、東京により近く、生活しやすい田原は、十分にITの拠点になるのではないか。リモートワークなど、新型コロナウイルス禍の「新しい生活様式」にマッチするのではないか。
 吉田さんは市にプログラミング教育事業の提言を続けた。そして「たはLab」として実現した。従来の図書館「くつろぎコーナー」がラボになる。
 キックオフイベントは小学4~6年生が対象3回。初回は「スクラッチ」と呼ばれる米マサチューセッツ工科大のグループが開発した小学生でも簡単にプログラミングできるソフトを使い、ゲーム作りに挑戦する。2回目(2月27日)は、プログラミングしたロボットを動かしてみる。3回目(3月27日)は、各種センサーを備えたマイコンボード「マイクロビット」を使い、情報入力と出力を学ぶ。各回2時間。
 今後は、今回は参加できなかった児童向けの教室も予定する。ロボット類は図書館で共有するので参加費はかからない。将来は、ラボの先輩が、後輩を指導してプログラミングを教え、互いに学ぶメンター制ができるようになることを目指すという。
 吉田さんは「今年度から小学校でプログラミング教育が必修化され、関心が高まっている。都市部に比べ、不利な地理的環境をチャンスにもできる。プログラミングの人材が育ち、他地域から人が集まる街になってほしい」と期待を込めた。
 是住久美子館長は「田原市はICTテクノロジーに強い市民づくりが目標。外国の図書館のように、図書館で新技術に触れ、ワクワクできる環境を整備したい」と話した。
【山田一晶】

たはLabを企画立案した吉田さん=田原市中央図書館で
たはLabを企画立案した吉田さん=田原市中央図書館で
使用するタブレットやロボット
使用するタブレットやロボット

カテゴリー:社会・経済

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