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「豊橋で映画を撮りたい」東京を拠点の劇団員

カテゴリー:特集

とよはし映画祭の入賞作品「JURI」の上映会場=都内で(提供)
とよはし映画祭の入賞作品「JURI」の上映会場=都内で(提供)
踏みとどまる契機にもなった「自首する」の公開動画
踏みとどまる契機にもなった「自首する」の公開動画
本紙に宛てた仲原さんのメール文面
本紙に宛てた仲原さんのメール文面

 県内での緊急事態宣言で新型コロナ禍の終息が遠のく中、豊橋市内での映画祭が縁で「豊橋で映画を撮りたい」と活動する劇団員がいる。東京都を拠点にする「TAIYO MAGIC FILM」の仲原由里子さん(29)もその一人だ。一時は転職も考えたが「多くの支えで壁を乗り越えられた。今は覚悟に変わった」と確信する。
 同劇団は2019年開催の「ええじゃないか とよはし映画祭」のコンペティション部門に出品した「JURI」(西条みつとし監督)で、準グランプリの「とよはし未来賞」を受賞した。
 秋には劇団全員で豊橋市を訪ね、「次回作品は豊橋ロケを」と意欲を示した。仲原さんは役者とプロデューサーの二役をこなし、制作に欠かせない地元の協力者探しなどの役目も担っていた。
 結婚式場を舞台にした企画案があり、式場などの施設を提供する協力者が必要だった。10年前、大阪でアルバイトをしていた時の店長が地元の豊橋で飲食店を開いたため、店主の協力を仰ぎ「協力者求む」のメッセージを店内に張り出した。
 メッセージに気付いた最初の協力者、森田光俊さんを通じて昨年出会ったのが、婚礼関係の事業を営むベルクリエイト(羽田町)の鈴木正憲社長だ。
 仲原さんは「撮影場所など協力を買って出てくれ、多くの助言をいただいた」と感謝する。
 一方、昨年3月頃から新型コロナウイルス感染症が広がり、4月に最初の緊急事態宣言が出された。6月予定の本公演も中止に。業界では廃業する人も出始め、夏頃になると仲原さんも転職を意識した。
 そんな時に転機が訪れた。都主催の「アートにエールを!東京プロジェクト(ステージ型)」に応募した短編作品「自首する」の企画が採択。昨年末に完成した。動画共有サイト「YouTube」で無料配信している。作品には県内出身の広澤草さん(41)も出演している。
 昨年10月に杉並区のミニシアターで催した「JURI」の上演も好評だった。「転職を迷った時も豊橋の人たちからもらった電話で踏みとどまれた。諦めなければ作品を紡いでいけると確信できた」と振り返る。
 次回作の内容は「まだ秘密」だが、主宰の西条監督がメガホンを握る。
 「豊橋の人に見てもらえるよう、作品づくりへ思いを温めている。『自首する』は現在の活動の証」と仲原さん。コロナ後を見据え、さらに歩みを続ける。
【加藤広宣】

 県内での緊急事態宣言で新型コロナ禍の終息が遠のく中、豊橋市内での映画祭が縁で「豊橋で映画を撮りたい」と活動する劇団員がいる。東京都を拠点にする「TAIYO MAGIC FILM」の仲原由里子さん(29)もその一人だ。一時は転職も考えたが「多くの支えで壁を乗り越えられた。今は覚悟に変わった」と確信する。
 同劇団は2019年開催の「ええじゃないか とよはし映画祭」のコンペティション部門に出品した「JURI」(西条みつとし監督)で、準グランプリの「とよはし未来賞」を受賞した。
 秋には劇団全員で豊橋市を訪ね、「次回作品は豊橋ロケを」と意欲を示した。仲原さんは役者とプロデューサーの二役をこなし、制作に欠かせない地元の協力者探しなどの役目も担っていた。
 結婚式場を舞台にした企画案があり、式場などの施設を提供する協力者が必要だった。10年前、大阪でアルバイトをしていた時の店長が地元の豊橋で飲食店を開いたため、店主の協力を仰ぎ「協力者求む」のメッセージを店内に張り出した。
 メッセージに気付いた最初の協力者、森田光俊さんを通じて昨年出会ったのが、婚礼関係の事業を営むベルクリエイト(羽田町)の鈴木正憲社長だ。
 仲原さんは「撮影場所など協力を買って出てくれ、多くの助言をいただいた」と感謝する。
 一方、昨年3月頃から新型コロナウイルス感染症が広がり、4月に最初の緊急事態宣言が出された。6月予定の本公演も中止に。業界では廃業する人も出始め、夏頃になると仲原さんも転職を意識した。
 そんな時に転機が訪れた。都主催の「アートにエールを!東京プロジェクト(ステージ型)」に応募した短編作品「自首する」の企画が採択。昨年末に完成した。動画共有サイト「YouTube」で無料配信している。作品には県内出身の広澤草さん(41)も出演している。
 昨年10月に杉並区のミニシアターで催した「JURI」の上演も好評だった。「転職を迷った時も豊橋の人たちからもらった電話で踏みとどまれた。諦めなければ作品を紡いでいけると確信できた」と振り返る。
 次回作の内容は「まだ秘密」だが、主宰の西条監督がメガホンを握る。
 「豊橋の人に見てもらえるよう、作品づくりへ思いを温めている。『自首する』は現在の活動の証」と仲原さん。コロナ後を見据え、さらに歩みを続ける。
【加藤広宣】

とよはし映画祭の入賞作品「JURI」の上映会場=都内で(提供)
とよはし映画祭の入賞作品「JURI」の上映会場=都内で(提供)
踏みとどまる契機にもなった「自首する」の公開動画
踏みとどまる契機にもなった「自首する」の公開動画
本紙に宛てた仲原さんのメール文面
本紙に宛てた仲原さんのメール文面

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