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田原の「G・ファーム」 循環型農業に取り組む

「豚の真珠」をPRする領馬さん㊧と鈴木社長=田原市高松町の農場で
「豚の真珠」をPRする領馬さん㊧と鈴木社長=田原市高松町の農場で
毎日約14㌧出る排せつ物を滞留させるタンク
毎日約14㌧出る排せつ物を滞留させるタンク
熱帯果樹を育てるハウスはジャングルのようだ
熱帯果樹を育てるハウスはジャングルのようだ

 田原市で養豚業を営む「G・ファーム」(鈴木美仁社長)が循環型農業を進めている。豚の排せつ物を使ったバイオマス発電や、その余熱での熱帯果樹栽培、処理済排せつ物の堆肥化など、副産物を活用する。その取り組みを取材した。
 1978年に「群類畜産」として創業。現在の社名にも頭文字のGが残る。市内3カ所の養豚場で計約5000頭の豚を飼育する。パンや麺類など食品残さを配合した液体飼料を与え育てる「田原ポーク」は、SDGs(持続可能な開発目標)に資するだけでなく、地域の特産品になった。
 鈴木社長の息子で企画販売などを担当する領馬さんの車に同乗し、バイオマス発電施設がある同市高松町の農場へ向かった。車や足元を徹底的に消毒したうえで、内部に入った。
 バイオマス発電施設は2017年に完成。3農場から毎日出る豚の尿やふんなど14㌧を集め、タンク内で40日間滞留させる。発生したメタンガスを2機のガスエンジンで燃やし、最大で1日1200㌔㍗発電する。売電収入は月約100万円。ガスが出なくなった排せつ物は浄化槽で処理し、固形物は堆肥として実験用の畑で使う。本来は液肥としても使えるが、14㌧の液肥を毎日使える場所や仕組みがない。鈴木社長は「課題の一つ」と語る。
 ガスエンジンの冷却水は、約2㌃の熱帯果樹を育てるハウスなどを暖める。18年に完成し、パパイヤやビリバなど約20種の熱帯果樹を実験的に栽培している。まずは育てて食べてみよう、と鈴木社長が取り組み、栽培特性を確認した。実験の成果から生まれたのが、パパイヤを使ったクラフトビール「THE PIG’S PEARL PAPAYA IPA」だ。「豚の真珠」と名付けられたこのビールは、日本地ビール協会開催のクラフトビール審査会「ジャパングレートビアアワーズ2022」で金賞を受賞した。
 領馬さんは「豚は素晴らしい生き物で、人間が使えない食品残さを食べて、全身余すところなく使えるおいしい肉になる」と述べた。養豚を柱にした無駄の少ない循環型農業の可能性を語る。
 今後、豚の排せつ物から生まれた有機肥料を使った実験用の畑で、フレンチに使う専門的な野菜の栽培を計画しているという。「豚の気持ちは完璧に分かるが、野菜の気持ちはまだまだ」と笑う鈴木社長は「肉、野菜と併せ、食卓に並ぶ料理の素材で『オールGファーム』ができれば」と夢を語った。
【岸侑輝】

 田原市で養豚業を営む「G・ファーム」(鈴木美仁社長)が循環型農業を進めている。豚の排せつ物を使ったバイオマス発電や、その余熱での熱帯果樹栽培、処理済排せつ物の堆肥化など、副産物を活用する。その取り組みを取材した。
 1978年に「群類畜産」として創業。現在の社名にも頭文字のGが残る。市内3カ所の養豚場で計約5000頭の豚を飼育する。パンや麺類など食品残さを配合した液体飼料を与え育てる「田原ポーク」は、SDGs(持続可能な開発目標)に資するだけでなく、地域の特産品になった。
 鈴木社長の息子で企画販売などを担当する領馬さんの車に同乗し、バイオマス発電施設がある同市高松町の農場へ向かった。車や足元を徹底的に消毒したうえで、内部に入った。
 バイオマス発電施設は2017年に完成。3農場から毎日出る豚の尿やふんなど14㌧を集め、タンク内で40日間滞留させる。発生したメタンガスを2機のガスエンジンで燃やし、最大で1日1200㌔㍗発電する。売電収入は月約100万円。ガスが出なくなった排せつ物は浄化槽で処理し、固形物は堆肥として実験用の畑で使う。本来は液肥としても使えるが、14㌧の液肥を毎日使える場所や仕組みがない。鈴木社長は「課題の一つ」と語る。
 ガスエンジンの冷却水は、約2㌃の熱帯果樹を育てるハウスなどを暖める。18年に完成し、パパイヤやビリバなど約20種の熱帯果樹を実験的に栽培している。まずは育てて食べてみよう、と鈴木社長が取り組み、栽培特性を確認した。実験の成果から生まれたのが、パパイヤを使ったクラフトビール「THE PIG’S PEARL PAPAYA IPA」だ。「豚の真珠」と名付けられたこのビールは、日本地ビール協会開催のクラフトビール審査会「ジャパングレートビアアワーズ2022」で金賞を受賞した。
 領馬さんは「豚は素晴らしい生き物で、人間が使えない食品残さを食べて、全身余すところなく使えるおいしい肉になる」と述べた。養豚を柱にした無駄の少ない循環型農業の可能性を語る。
 今後、豚の排せつ物から生まれた有機肥料を使った実験用の畑で、フレンチに使う専門的な野菜の栽培を計画しているという。「豚の気持ちは完璧に分かるが、野菜の気持ちはまだまだ」と笑う鈴木社長は「肉、野菜と併せ、食卓に並ぶ料理の素材で『オールGファーム』ができれば」と夢を語った。
【岸侑輝】

「豚の真珠」をPRする領馬さん㊧と鈴木社長=田原市高松町の農場で
「豚の真珠」をPRする領馬さん㊧と鈴木社長=田原市高松町の農場で
毎日約14㌧出る排せつ物を滞留させるタンク
毎日約14㌧出る排せつ物を滞留させるタンク
熱帯果樹を育てるハウスはジャングルのようだ
熱帯果樹を育てるハウスはジャングルのようだ

カテゴリー:社会・経済

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