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主食用から飼料用へ 豊橋の大規模な米生産者

飼料米の水田を手入れする日比さん=豊川市行明町で
飼料米の水田を手入れする日比さん=豊川市行明町で

 新型コロナウイルス禍や円安などに伴う輸入飼料高騰で、国内で作られる乳製品の値上がりにつながりそうだ。一方、主食米の需要減少で国は飼料用作物への転作を奨励している。東三河の作付面積の約半分を占める豊橋市でも、比較的大規模な生産者が米や麦など飼料用作物に比率を上げつつある。
 人口減少や食の多様化で主食米需要は年々下がり続け、1人あたりの消費量は1962年の113㌔から現在は50㌔余りと半分以下に落ち込んでいる。作付面積も2021年産で130万㌶と減少傾向だが、供給過剰の状態が続いている。
 一方、国は家畜用飼料や麦や大豆などの穀物を含めた戦略作物を増やそうと、手厚い補助金で主食用米からの転作を奨励している。
 今年4月末で市内の主食用米の作付面積は約1570㌶。これに対し飼料用米は181㌶に増えた。ほかの近隣市でも同じ傾向だ。
 豊橋市川崎町のライスフィールドは豊川市を含め水田など約70㌶を栽培する。コシヒカリをはじめ主食用米のほか、オオナリなど飼料用米の2品種と酪農用飼料の「WCS」と呼ばれる飼料用稲や小麦も手掛ける。飼料用米の11㌶とWCS15㌶で主食用とほぼ同じ面積になるという。
 WCSは収穫後発酵させた稲のこと。乳牛の餌となる牧草などの粗飼料の替わりに与える。コロナ禍に伴うコンテナ不足で供給網が滞り、粗飼料の輸入の見通しが立たないと心配する酪農家も多いという。
 東三河では中小規模の農家が多く、こうした農家の飼料用米などへの転作は難しいという。
 日比秀治社長(59)が心配するのは、コロナ禍後の輸入飼料との競争再開だ。
 「WCSもそうだが輸入品との内外価格差は大きく、収穫機や乾燥機などの投資に1000万円以上かかった。一時はやめようかとも考えたが、酪農家の要望も強く今も続けている」と市場の行方にも注視する。
【加藤広宣】

 新型コロナウイルス禍や円安などに伴う輸入飼料高騰で、国内で作られる乳製品の値上がりにつながりそうだ。一方、主食米の需要減少で国は飼料用作物への転作を奨励している。東三河の作付面積の約半分を占める豊橋市でも、比較的大規模な生産者が米や麦など飼料用作物に比率を上げつつある。
 人口減少や食の多様化で主食米需要は年々下がり続け、1人あたりの消費量は1962年の113㌔から現在は50㌔余りと半分以下に落ち込んでいる。作付面積も2021年産で130万㌶と減少傾向だが、供給過剰の状態が続いている。
 一方、国は家畜用飼料や麦や大豆などの穀物を含めた戦略作物を増やそうと、手厚い補助金で主食用米からの転作を奨励している。
 今年4月末で市内の主食用米の作付面積は約1570㌶。これに対し飼料用米は181㌶に増えた。ほかの近隣市でも同じ傾向だ。
 豊橋市川崎町のライスフィールドは豊川市を含め水田など約70㌶を栽培する。コシヒカリをはじめ主食用米のほか、オオナリなど飼料用米の2品種と酪農用飼料の「WCS」と呼ばれる飼料用稲や小麦も手掛ける。飼料用米の11㌶とWCS15㌶で主食用とほぼ同じ面積になるという。
 WCSは収穫後発酵させた稲のこと。乳牛の餌となる牧草などの粗飼料の替わりに与える。コロナ禍に伴うコンテナ不足で供給網が滞り、粗飼料の輸入の見通しが立たないと心配する酪農家も多いという。
 東三河では中小規模の農家が多く、こうした農家の飼料用米などへの転作は難しいという。
 日比秀治社長(59)が心配するのは、コロナ禍後の輸入飼料との競争再開だ。
 「WCSもそうだが輸入品との内外価格差は大きく、収穫機や乾燥機などの投資に1000万円以上かかった。一時はやめようかとも考えたが、酪農家の要望も強く今も続けている」と市場の行方にも注視する。
【加藤広宣】

飼料米の水田を手入れする日比さん=豊川市行明町で
飼料米の水田を手入れする日比さん=豊川市行明町で

カテゴリー:社会・経済

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