文字の大きさ

ユニチカ跡地住民訴訟の記録誌発行

ユニチカ跡地訴訟の記録誌を発行した元原告団の(右から)鈴木さん、宮入さん、杉浦さん=東愛知新聞社で
ユニチカ跡地訴訟の記録誌を発行した元原告団の(右から)鈴木さん、宮入さん、杉浦さん=東愛知新聞社で

元原告団らが6年の経緯まとめる

 繊維メーカーのユニチカが豊橋市から無償譲渡された跡地売却代金の返還を巡る訴訟(原告の勝訴確定)について、6年にわたる活動をまとめた「ユニチカ跡地住民訴訟記録誌」が完成した。元原告団長の宮入興一さん(愛知大学名誉教授)は「住民訴訟で画期的な判例。この貴重な経験を後世に残すべきだと考えた」と出版の経緯を語った。
 2016年8月に始まる訴訟では、18年に市に63億円の返還請求を命じる1審・名古屋地裁判決が出た。19年の2審・名古屋高裁は、賠償額を土地の未使用部分に限り21億円に減額する一部修正判決。20年7月には市側の上告を最高裁が棄却して原告勝訴が確定した。
 問題が発覚した15年12月市議会定例会を皮切りに、翌年5月の住民監査請求や8月の提訴など、7年近くの経緯を裁判資料や当時の新聞記事などで紹介している。長屋誠弁護団長らと宮入原告団長ら訴訟当事者に、問題を掘り起こした鈴木みさ子市議(共産)を交えた座談会を載せ、一般にも分かりやすく伝える工夫も凝らした。
 1951年に市と大日本紡績(現ユニチカ)が交わした契約書で突破口が開ける一方、条文の解釈を巡り食い違う主張を補うための裏付けに走り回ったという。宮入さんは「跡地周辺を一軒ずつ訪ね歩き、契約締結時の様子を調べた」などと振り返った。
 元副団長の杉浦満さんと事務局長の鈴木正廣さんは「130人で始めた原告団の大半が勝訴確定まで残った。活動で感じた市民の力を伝えられたら」と話す。
 A4判396㌻、600冊発行。関係者や東三河の図書館、県内大学などに配るほか、希望者は実費相当の寄付(1500円)で入手可。問い合わせは編集委員会(0532・48・1594)へ。
【加藤広宣】

元原告団らが6年の経緯まとめる

 繊維メーカーのユニチカが豊橋市から無償譲渡された跡地売却代金の返還を巡る訴訟(原告の勝訴確定)について、6年にわたる活動をまとめた「ユニチカ跡地住民訴訟記録誌」が完成した。元原告団長の宮入興一さん(愛知大学名誉教授)は「住民訴訟で画期的な判例。この貴重な経験を後世に残すべきだと考えた」と出版の経緯を語った。
 2016年8月に始まる訴訟では、18年に市に63億円の返還請求を命じる1審・名古屋地裁判決が出た。19年の2審・名古屋高裁は、賠償額を土地の未使用部分に限り21億円に減額する一部修正判決。20年7月には市側の上告を最高裁が棄却して原告勝訴が確定した。
 問題が発覚した15年12月市議会定例会を皮切りに、翌年5月の住民監査請求や8月の提訴など、7年近くの経緯を裁判資料や当時の新聞記事などで紹介している。長屋誠弁護団長らと宮入原告団長ら訴訟当事者に、問題を掘り起こした鈴木みさ子市議(共産)を交えた座談会を載せ、一般にも分かりやすく伝える工夫も凝らした。
 1951年に市と大日本紡績(現ユニチカ)が交わした契約書で突破口が開ける一方、条文の解釈を巡り食い違う主張を補うための裏付けに走り回ったという。宮入さんは「跡地周辺を一軒ずつ訪ね歩き、契約締結時の様子を調べた」などと振り返った。
 元副団長の杉浦満さんと事務局長の鈴木正廣さんは「130人で始めた原告団の大半が勝訴確定まで残った。活動で感じた市民の力を伝えられたら」と話す。
 A4判396㌻、600冊発行。関係者や東三河の図書館、県内大学などに配るほか、希望者は実費相当の寄付(1500円)で入手可。問い合わせは編集委員会(0532・48・1594)へ。
【加藤広宣】

ユニチカ跡地訴訟の記録誌を発行した元原告団の(右から)鈴木さん、宮入さん、杉浦さん=東愛知新聞社で
ユニチカ跡地訴訟の記録誌を発行した元原告団の(右から)鈴木さん、宮入さん、杉浦さん=東愛知新聞社で

カテゴリー:社会・経済

 PR

PR