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金子さんが母校の新城東郷中で講演

講演する金子さん=新城市立東郷中で
講演する金子さん=新城市立東郷中で

 本紙でエッセー「令和つれづれ草」を連載中の元外交官で外交評論家、金子熊夫さん(85)が22日、母校の新城市立東郷中学校で講演した。PTAの主催で、生徒と保護者が、新城から世界を飛び回った大先輩の話に耳を傾けた。
 金子さんは同中から新城高校、名古屋大学、米ハーバード大学法科大学院を経て外務省に入省し約30年にわたって世界各地で勤務した。ベトナム戦争のさなかにサイゴンの日本大使館に赴任、戦闘に巻き込まれたことも。出向した国連で環境計画(UNEP)の創設に参加。初代の外務省原子力課長日米原子力交渉などを担当した。その様子は2020年に連載が始まった「令和つれづれ草」で詳述されている。
 この日のテーマは「なぜ戦争はなくならないか~日本の平和と安全を考える」。ロシアによるウクライナ侵攻が続く現在、日本の将来を担う子どもたちに広い視点で考えてもらおうとテーマに選んだ。
 70年ぶりに母校へ来たという金子さんは、中学生の時に始まった朝鮮戦争(1950~53年)がすごく身近に感じられたと振り返った。そして日本の置かれた立場に危機感を持ち、英語の勉強を始め、外交官を志したという。
 金子さんは、今のうちに俯瞰(ふかん)して日本を見ることが大事と呼びかけた。そして「相手の国から日本がどのように見られているかを考えるように」と話し、地図を逆さまに見た場合、中国にとって日本の存在が「太平洋に出るのを邪魔している」と見られていることを説明した。
 そのうえで、抑止力とは何かについて述べた。戦力不保持を定めた憲法9条2項に矛盾があると持論を展開。「自分たちの世代はこの問題をごまかしてきた。みなさんはしっかり議論し、考えよう」と促した。
【山田一晶】

 本紙でエッセー「令和つれづれ草」を連載中の元外交官で外交評論家、金子熊夫さん(85)が22日、母校の新城市立東郷中学校で講演した。PTAの主催で、生徒と保護者が、新城から世界を飛び回った大先輩の話に耳を傾けた。
 金子さんは同中から新城高校、名古屋大学、米ハーバード大学法科大学院を経て外務省に入省し約30年にわたって世界各地で勤務した。ベトナム戦争のさなかにサイゴンの日本大使館に赴任、戦闘に巻き込まれたことも。出向した国連で環境計画(UNEP)の創設に参加。初代の外務省原子力課長日米原子力交渉などを担当した。その様子は2020年に連載が始まった「令和つれづれ草」で詳述されている。
 この日のテーマは「なぜ戦争はなくならないか~日本の平和と安全を考える」。ロシアによるウクライナ侵攻が続く現在、日本の将来を担う子どもたちに広い視点で考えてもらおうとテーマに選んだ。
 70年ぶりに母校へ来たという金子さんは、中学生の時に始まった朝鮮戦争(1950~53年)がすごく身近に感じられたと振り返った。そして日本の置かれた立場に危機感を持ち、英語の勉強を始め、外交官を志したという。
 金子さんは、今のうちに俯瞰(ふかん)して日本を見ることが大事と呼びかけた。そして「相手の国から日本がどのように見られているかを考えるように」と話し、地図を逆さまに見た場合、中国にとって日本の存在が「太平洋に出るのを邪魔している」と見られていることを説明した。
 そのうえで、抑止力とは何かについて述べた。戦力不保持を定めた憲法9条2項に矛盾があると持論を展開。「自分たちの世代はこの問題をごまかしてきた。みなさんはしっかり議論し、考えよう」と促した。
【山田一晶】

講演する金子さん=新城市立東郷中で
講演する金子さん=新城市立東郷中で

カテゴリー:社会・経済

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