来月開園へジブリパーク内覧会

　「耳をすませば」「となりのトトロ」「千と千尋の神隠し」など、「スタジオジブリ」が手がけたアニメ作品の世界観を体験できる「ジブリパーク」が11月１日にオープンを迎える。これに先駆け12、13の両日、メディアや招待者向けの内覧会があった。
　２０１７年に県とスタジオジブリがパーク構想の整備に合意し、長久手市の「愛・地球博記念公園」内でプロジェクトがスタート。20年７月に起工式があり、県美術館ではプレイベントを開くなどした。
　内覧会には国内を中心に世界から多くのメディアが参加した。
　12日は大村秀章知事と宮崎吾朗監督の会見があった。大村知事は愛知万博のテーマ「自然の叡智」やパーク整備からの５年間を振り返って、「人、生き物、地球に対する愛を未来へ発信していく。世界中の皆さんに楽しんでいただけたら」と語った。
　宮崎吾朗監督は「きょうの日を迎えられてうれしく思う」とあいさつ。パーク構想のきっかけについて話し、その一つに宮崎駿監督の長編制作引退宣言があったとして「多くの人にジブリ作品を忘れられないようにしたいという思いがあった」と語った。
　しかし駿監督は17年に引退を撤回。最新作「君たちはどう生きるか」に取り掛かっている。吾郎監督は「はしごを外された気分でいっぱいです」と笑いを誘った。

県式典で大村知事「夢だけど、夢じゃなかった！」

　県が主催する歓迎セレモニーもあり、46の国と地域の外交関係者や、全国の議員など計約８００人の前で、大村知事とスタジオジブリの星野康二社長が日本語と英語であいさつ。大村知事は「となりのトトロ」の名台詞を引用して「『夢だけど、夢じゃなかった！』という思いで皆さんに末永く楽しんでいただきたい」と話した。
　星野社長は新型コロナウイルスの影響でスタジオも苦境の中にあったとしつつも、三つの良い報告があるとして、駿監督の「君たちがどう生きるか」が完成間近であること、今年２月に世界中で始まったジブリ作品のデジタル配信が数カ月で視聴１億回を達成したこと、そしてパーク整備が順調に進み、第１期の公開にこぎつけたことに触れ、「皆さんの温かい支援、声援に感謝したい」と語った。
　11月１日のオープンは第１期として「ジブリの大倉庫」「青春の丘」「どんどこ森」を公開する。公園の敷地面積１９４㌶のうち、３エリアで計約３・４㌶を使う。観覧チケットは日時指定の予約制。「ジブリの大倉庫」が平日大人２０００円、４歳から小学生までが１０００円。「青春の丘」「どんどこ森」が大人１０００円、子ども５００円。３歳以下は入場無料。またチケット１枚毎に発券料の１１０円がかかる。すべて税込み。
【岸侑輝】