豊橋の2小学校で150周年記念式典

　豊橋市立嵩山小学校と細谷小学校で19日、創立１５０周年式典が開かれた。両校とも、児童たちが学校や地域の歴史を調べて発表した。
【安藤聡、加藤広宣】

嵩山小学校

　嵩山小の校区は市の北東部にあり、浜松市北区三ヶ日町と接する。明治政府の学制発布を受けて１８７３年８月16日、正宗寺内陽徳院で「第９中学区第39番小学嵩山学校」として創立し、77年に現在地に移転した。１９５５年に現在の嵩山小学校となった。児童数は45年の２５０人が最多で、現在は68人。減少が続き、一時期は異なる学年が一緒に学ぶ複式学級を採り入れた。２００７年度には他の校区から転入学を許可する特認校に指定された。14年度、市内の学校で初めて児童に１台ずつタブレット端末が配られた。
　発表会は学年ごとにあった。３年生は「Ｈｅｌｌｏ★教えてあげる　私たちの嵩山」のタイトルで校区内の魅力を紹介。地元の鉱山や史跡を英語も加えて説明し、歌と踊りも交えた15分で演じた。
　他の学年は町を巡って商店主へのインタビュー、ホタルの飼育など豊かな自然、伝承される文化を発表した。
　高梨諭司校長は「きょうを節目に新たな一歩を踏み出し、地域と学校と一体となって発展を目指したい」と述べた。校区自治会の中山昌訓会長が昨年８月から始まった記念事業を、記念誌編さん委員長の後藤清司さんが校区の歴史を説明した。

細谷小学校

　細谷小学校での式典で杉田文夫校長は「細谷義校が誕生したのは明治維新から間もなく、まだ西郷隆盛が生きていた時代だった。地域とともに発展を重ねた１５０年だった」と歴史を振り返った。
　記念講話で卒業生の杉浦正和県議（１９８８年卒）が登壇。「少年少女よ、大志を抱け」をテーマに、小学生時代から現在までの成長過程を映像で紹介した。後輩に対し「今は好きなことや得意なことが生きるうえで役立つ時代。何か得意なことを見つけてほしい」と助言した。
　創立記念に、卒業生らの寄付で玄関ホールの柱時計や正門付近の記念碑を設けた。
　式典後、１５０年にちなんだ調べ学習の成果を各学年が発表した。５年生は１５０年間の食習慣の変遷を元に、米作りと米食について調べた。米作りの現場での体験学習なども披露した。
　１８７２年12月に開校した細谷義校を起源に二川町立などを経て１９５５年の市長村合併で豊橋市立となった。今年度児童数は85人。