豊川稲荷で秋季大祭始まる

　豊川稲荷で19日、秋季大祭が始まった。寺宝館などではｅスポーツ大会が繰り広げられ、日が暮れるとプロジェクションマッピングが境内を照らした。
　恒例の稚児行列や青空テント市、全国骨董市、「豊川のいなり寿司大集合」があり、多くの人が朝から訪れた。参道横では猿回しの大道芸、豊楽殿では大正琴の演奏会などもあった。

ｅスポーツ大会もにぎわう

　ｅスポーツ大会は来年８月に県内で開かれる「Ｗｏｒｌｄ　Ｇａｍｅ　Ｓｕｍｍｉｔ」の初のプレ・イベントとして開催した。オンラインゲーム「フォートナイト」「スプラトゥーン３」で全国から参加した計約２００人が腕を競った。
　海外ではプロとして大会に出場し、多額の賞金を稼ぐ選手も多い。近年は国内も多くの大会が開かれており、実況動画やオンライン配信で収入を得る人も増えた。「ゲーム＝遊び」にとどまらなくなってきている。
　「フォートナイト」は「バトルロイヤル」というルールで大会が開かれた。小説「バトル・ロワイヤル」を原作とした漫画や映画に大きな影響を受けており、最大１００人のプレイヤーが小さな島で武器などを探して戦い、生き残りを目指す。状況に応じて戦ったり逃げたりといった判断力や機転、最後まで戦い抜くための長期的な視野が求められる。その場に壁や階段などを即座に出現させる「建築」という独自要素があり、有利な状況を自分の手で作りやすいため人気だ。
　大会の様子はＹｏｕＴｕｂｅによるオンライン配信のほか、寺宝館２階でもプロ選手による実況があった。見事なプレーで不利な状況を覆したり、最後の一人をかけた接戦で勝利を収めたりした選手に盛大な拍手が送られた。
　寺宝館１階ではゲーム博物館も開かれ、「ファミリーコンピューター」「ＰＣエンジン」「プレイステーション」といったゲーム機の歴史を紹介。また、将来はユーチューバーやｅスポーツのプロ選手などになりたいという子どもたちに、夢の実現に何が必要かを考えてもらおうと、プロ野球の大谷翔平選手も高校時代に使ったというアイデア発想法の「マンダラート」を紹介した。
　午後６時からは恒例となった夜間参拝イベント「ヨルモウデ」も開かれた。本殿前で３６５個の提灯が同心円状に連なる「花車」が点灯するのに合わせ、花火や稲荷をモチーフにしたプロジェクションマッピングが参道や寺宝館を彩った。
　秋季大祭は20日も続く。
【岸侑輝】