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蔵書の来歴を紹介 豊橋市中央図書館の企画展

歴史的な著名人の旧蔵書などが並ぶ展示コーナー=豊橋市中央図書館で
歴史的な著名人の旧蔵書などが並ぶ展示コーナー=豊橋市中央図書館で
開館時から保存されている貴重な図書原簿
開館時から保存されている貴重な図書原簿

 「図書原簿」を元に館内蔵書の来歴を紹介する企画展が、豊橋市中央図書館2階展示コーナーで開かれている。開館以来継承される原簿と蔵書印から元の持ち主をたどると、歴史的著名人らの名前がずらりと並ぶ。企画担当者によると、ここまで素性が分かるのも珍しいという。
 原簿には蔵書の入手時期や経路、廃棄時期などの履歴が記され、本の来歴が分かる「本の住民台帳」と呼ばれる。同館は1913年の開館時からの原簿が残る全国でも珍しい図書館という。
 今回は、かつて著名人が持っていた記録が残る和装本を大名や公家、近代の著名人など6分野に分けて紹介。併せて開館初期の図書原簿も展示している。
 蔵書第1号「豊受皇太神宮殿舎考証」は、同館の起源となった羽田八幡宮文庫」を開いた羽田野敬雄の旧蔵品。蔵書印は初めての作業で緊張したせいか、逆さに押印されている。
 ほかに、実業家の渋沢栄一や思想家でジャーナリストの徳富蘇峰、元首相の平沼騏一郎など歴史的著名人の蔵書が並ぶ。
 これらの多くは終戦後の昭和20年代に古書店から購入したものだ。華族の廃止や農地改革による地主ら資産階級の没落で大量の蔵書が市場に流れたためという。
 企画担当の岡村龍男学芸員は「当時の館長らが積極的に収集したとみられる。開館当初からの原簿が残されているのは珍しい。素性をたどる大きな手掛かりだ。他館の関心も大きい」と話す。
【加藤広宣】

 「図書原簿」を元に館内蔵書の来歴を紹介する企画展が、豊橋市中央図書館2階展示コーナーで開かれている。開館以来継承される原簿と蔵書印から元の持ち主をたどると、歴史的著名人らの名前がずらりと並ぶ。企画担当者によると、ここまで素性が分かるのも珍しいという。
 原簿には蔵書の入手時期や経路、廃棄時期などの履歴が記され、本の来歴が分かる「本の住民台帳」と呼ばれる。同館は1913年の開館時からの原簿が残る全国でも珍しい図書館という。
 今回は、かつて著名人が持っていた記録が残る和装本を大名や公家、近代の著名人など6分野に分けて紹介。併せて開館初期の図書原簿も展示している。
 蔵書第1号「豊受皇太神宮殿舎考証」は、同館の起源となった羽田八幡宮文庫」を開いた羽田野敬雄の旧蔵品。蔵書印は初めての作業で緊張したせいか、逆さに押印されている。
 ほかに、実業家の渋沢栄一や思想家でジャーナリストの徳富蘇峰、元首相の平沼騏一郎など歴史的著名人の蔵書が並ぶ。
 これらの多くは終戦後の昭和20年代に古書店から購入したものだ。華族の廃止や農地改革による地主ら資産階級の没落で大量の蔵書が市場に流れたためという。
 企画担当の岡村龍男学芸員は「当時の館長らが積極的に収集したとみられる。開館当初からの原簿が残されているのは珍しい。素性をたどる大きな手掛かりだ。他館の関心も大きい」と話す。
【加藤広宣】

歴史的な著名人の旧蔵書などが並ぶ展示コーナー=豊橋市中央図書館で
歴史的な著名人の旧蔵書などが並ぶ展示コーナー=豊橋市中央図書館で
開館時から保存されている貴重な図書原簿
開館時から保存されている貴重な図書原簿

カテゴリー:社会・経済 / 地域・教育

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