豊橋駅北方に頭部ない小動物の死骸

猫と思い発見者通報、鑑定でハクビシンの可能性高く

　豊橋駅北方の豊川（とよがわ）に近いエリアで今月１日、頭部のない小動物の死骸が見つかった。自宅前で見つけた女性（80）は豊橋署に通報した。女性は猫だと思っていたが、署は専門家の鑑定としてハクビシンと思われるとしているという。死んでから時間が経過しており、何者かが置いた可能性がある。市民団体が警戒を強めている。
　女性は日々、詳細な日記をつけている。それによると、１日朝に車で近所に初日の出を見に行った。道路を確認したが何もなかった。ところが十数分して家に戻ると、自宅前のアスファルトの上に頭部がない死骸があるのを見つけた。体毛は尾に残っているだけで、女性は「皮が剥がされていた」と表現する。体長は50㌢はあったという。
　女性は死骸をちりとりに乗せて運び、古いタオルで覆ったうえで家の庭の隅に埋葬した。警察も正月で対応してくれないと思い、３日になって東三河で地域猫活動を続ける動物福祉団体「命にやさしいまちづくり　ハーツ」の古橋幸子代表に相談し４日午前、署に通報してもらった。
　午後、署員２人が来て死骸を掘り出して写真を撮るなどし、段ボール箱に入れて回収した。５日になって電話があり、専門家に見せたところ、ハクビシンらしいという結論になったと伝えられた。
　10日に改めて署員が撮影した写真を見せてもらうなどしたという女性は「猫に見えたが専門家が言うならそうかもしれない。でも、車で出かけた15分間にいきなり死骸が出てきたのはおかしい。ほかの動物の仕業とは思えない。とてもかわいそうだ」と訴えた。

何者かによる殺傷・遺棄も否定できず

　女性の家は大通りからは離れており、人が頻繁に行き来する場所ではない。防犯カメラなども設置されていないという。小動物の殺傷行為は人間に向けてエスカレーションする危険性がある。ハーツも注意を呼びかける方針だ。
　ＮＰＯ法人「愛猟」の鈴木康弘理事長によると、豊橋市内でもハクビシンの生息が確認されている。体が細長く長い尾が特徴で、大きさは猫と同じぐらい。巣を家に作ることが多く、見つけたら連絡するよう呼びかけている。
【山田一晶】