耐震シェルターなど導入補助 豊橋市が周知促進

　豊橋市は改修が必要な旧耐震構造の木造住宅のうち、高齢者や障害者の居住世帯を対象に、耐震シェルターなどの導入補助の周知促進に乗り出した。市役所で16日、実物展示が始まり、相談にも応じる。耐震改修は経済的な負担などを理由に消極的な世帯も少なくなく、積極的に広めたいという。19日まで。
　防災シェルターの補助制度は２０１３年に設けた。耐震診断の判定値が１・０未満で、65歳以上の高齢者か障害者が住む世帯を対象に30万円までを補助する。
　市役所１階で始まった展示会には、耐震シェルターや防災ベッドを展示している。補助対象となる主要メーカーの資料もあり、希望者には担当課職員が相談に応じる。
　防災シェルターは木や鉄骨などを組んで頑丈な空間を設け、建物倒壊から内部にいる人を守る。部屋の広さに応じ規定のサイズから選ぶ。防災ベッドは頭上をフレームなどで覆ったさらに簡易なものだ。設置費や床工事などが別途かかる。
　市は１９８１年以前の木造住宅を対象に、２００２年から無料耐震診断を始め、翌年に改修補助制度を設けた。市の推計では18年現在、旧耐震基準の約２万５０００棟のうち診断していない建物は約１万２０００棟に上るという。
　こうした状況を踏まえて市は簡易でも「命を守る」備えを周知したい考えだ。建築物安全推進課では「耐震改修が望ましいのだが、中には『自分の代で終わり』と改修を諦める高齢者もいるという。命だけは守れるようハードルを下げる必要性もある」と説く。
【加藤広宣】