コロナ「5類」変更への舞台裏 今枝氏が本社で解説

　新型コロナウイルスについて岸田文雄首相が１月27日、法的位置づけを5月8日から季節性インフルエンザと同等の「５類」に引き下げると表明した。なぜこのタイミングなのか、暮らしへの影響は。自民党のコロナ対策本部事務局長の今枝宗一郎衆院議員（愛知14区）が東愛知新聞社で舞台裏を解説した。
　「卒コロナ」のタイミングを慎重に見極めていたという今枝氏。５類にできると確信したのは、昨年12月21日に厚生労働省がまとめたコロナ患者の重症化率と致死率の比較だった。
　それによると、デルタ株流行期（２０２１年７～10月）の重症化率は、「60歳未満」「60～70歳代」「80歳以上」の区分でそれぞれ０・56％、３・88％、10・21％と高かった。致死率はそれぞれ０・08％、１・34％、７・92％。それがオミクロンＢＡ・５株流行期の22年７～８月では、80歳以上の重症化率が１・86％、致死率が１・69％となるなど３区分とも減少した。これは季節性インフルエンザ（80歳以上重症化率２・17％、同致死率１・73％）と同レベルだ。
　さらに、成人式後も感染者が急増するような事態も起きなかった。また、コロナ後遺症への効果なども期待される国産治療薬が承認された。
　これらの状況を総合し、専門家の意見を踏まえ、５類への変更が決まったのだという。
　生活への影響はどうか。今枝氏によると、個人の医療費は当面、公費負担が続く。ワクチン接種費も同じ。ただ、それがいつまでかについては「財務省と折衝を続ける」と述べた。
　マスクは「つける、つけないを他人に強要しない」ことがポイントだという。３月には卒業式がある。「室内ではあるが、マスク無しで式を迎えさせてあげたい」として、５月を待たずに２月中には指針が出るとの見通しを示した。
　今枝氏は「コロナは感染力が強く、ただの風邪ではない。でも、これからは負担にならない範囲で感染対策をしてもらえればいい」と説明した。
【山田一晶】