渡辺いっけいさんが国際映画祭の最優秀俳優賞に

　豊川市を中心に２０２１年10月の１カ月間、ロケがあった映画「マリッジカウンセラー」で、同市出身で主演の渡辺いっけいさんが１月にバングラディシュで開かれた国際映画祭のベストアクター（最優秀俳優賞）に選ばれた。会場にいた前田直樹監督がトロフィーを受け取った。
　受賞したのは１月14～22日にあった「第21回ダッカ国際映画祭」のアジア映画コンペティション部門。渡辺さんは制作会社を通じ「異国の映画祭での受賞は何だか他人事のような不思議な気持ちですが、前田監督はきっと僕以上に喜んでいることでしょう。少しでも多くの人にこの映画が届きますように」とコメントした。
　映画はハートフルコメディー。渡辺さん演じる大手不動産会社員の赤羽昭雄が、辞令を受けて結婚相談所「とわえもあ」に出向する。時田結衣（松本若菜さん）は若手の仲人で、バツイチ。母はカリスマ仲人、十和子（宮崎美子さん）。「不動産仲介も仲人も同じ」と高をくくっていた赤羽は、昭和の遺物のようなおじさん。現代の若者事情についていけず、結衣や依頼人とさまざまなトラブルを起こす。それでも仲人の仕事を学ぶうち、結衣や依頼人からも信頼されるようになり－というストーリー。
　ロケは同年10月２日から24日まで続いた。撮影前の安全祈願、クランクアップは砥鹿神社。豊川市と市観光協会が全面協力し、観光協会登録業者が出演者やスタッフ向けのロケ弁当を出した。また多くのエキストラが協力した。
　現在、東京や大阪、京都、兵庫で上映中。今月24日からは福岡、宮崎、熊本、鹿児島で。県内は先行上映が終わっていたが、３月31日から名古屋市中村区名駅の「ミッドランドスクエアシネマ」で、４月７日からは同市中川区の「中川コロナシネマワールド」で上映が決まった。再び渡辺さんらの熱演が見られそうだ。
【山田一晶】

　■前田監督のコメント
　会場で「ベスト　アクター　イッケイ　ワタナベ！」とアナウンスされた時、興奮で手が震えました。映画祭で僕がどの賞より欲しかった賞です。この映画は本当に多くの皆さんと全員野球で作り上げた作品ですが、今だけは「いっけいさんの映画」と呼ばせてください。僕はこの「いっけいさんの映画」が大好きです。いっけいさん、本当におめでとうございます。