「映画ができるまで、」初の短編完成

25日に豊橋・ここにこで上映会

　映画作りのため豊橋市へ移住した俳優兼プロデューサーの谷口由里子さん（31）と、俳優仲間の蔭山ひろみさん（31）で始めた「映画ができるまで、」プロジェクトの初の短編作品「ひと駅、歩く」が25日、豊橋市の「こども未来館ここにこ」で上映される。東京と大阪に続く「地元」豊橋での上映会は趣向の異なる３部構成になる。
　谷口さんは東三河を舞台にした長編映画作りのため昨夏、東京都から市内へ移住した。移住先の豊橋や東三河の良さ、映画作りを知ってもらおうと、２人がＳＮＳの投稿で紹介している。
　今回の作品は「一緒にレストランを開くのが夢だった」という女子大学生の千尋と久美が主人公。ある出来事から徐々に役割や関係性がずれ、心に抱えたわだかまりだけが残った。10年ぶりに偶然再会した帰り道、ひと駅歩きながらの２人の会話で映画は佳境を迎える。
　すでに大阪と東京で上映会を開き、反響は上々だったという。大阪市のミニシアターで開いた上映会について２人は「涙を流したなどのツイートに感激した。自分たちの気付かない点も感じ取ってくれた」と手応えを示した。
　今作の主題歌「はじまりの糸」は豊橋市出身でシンガーソングライターの椋子さんが作詞、作曲した。製作費を賄うクラウドファンディングは目標を上回る２５０万円余りを集めた。４月からは短編作品第２弾の撮影も始まる。
　支援の広がりについて谷口さんは「見る人の心を動かしたい野心が先行していたが、期待に応える重圧も感じる」と心境を述べた。蔭山さんは「毎月、東京へ帰る際に豊橋の方から『また帰ってきてね』と送られるのがうれしい。プロジェクトのツイッターもフォロワーが３倍に増えて心強い」と感謝する。
　豊橋上映会は25日午前11時から３部制。本作品（１５００円）の上映と関連行事がある。第１部は親子で映画を観賞できる回として（親子枠）本作品と「環境戦隊ゲコレンジャー」（１０００円）を上映。２部は作品の関連トーク、３部は音楽ライブも。まだ若干空席があるという。観賞希望者は申し込みサイト＝ＱＲコード＝へ。
【加藤広宣】