豊橋中央幼稚園が解体前に卒園生へ園舎開放

　豊橋市新吉町の「豊橋中央幼稚園」は園舎老朽化や認定こども園への移行に伴い、２０２４年度までに建て替えることになった。現在の園舎は今月末に取り壊される。「思い出深い園舎に別れを告げたい卒園生のために」と４～５日、園舎を開放することにした。当日は園舎の好きな場所にお別れのメッセージを書いてもらうという。
　龍拈寺が母体の幼稚園で発祥は１９０１（明治34）年。34年に寺の境内に園舎を建て、54年に「豊橋中央幼稚園」として認可された。現園舎は72年に完成、多くの卒園生を送り出した。親子で通った人も多い。
　新型コロナウイルス禍の影響か、この２～３年に未満児入園の問い合わせが増え、新園舎で認定こども園としてスタートさせることを決めた。取り壊しを控え、職員から「５１年間の卒園生に思い出を残してもらいたい」との声が出たため、写真を撮ったり、メッセージを書いたりする日を作ることに。工事中は運動場や寺に仮園舎を設けるため、現在は引っ越しの真っ最中だ。その中で２日間を空け、開放日に充てた。
　３月16日の卒園式前には卒園生が２階廊下に手形でカラフルな花畑を作った。また、小中学校の卒業報告にきた卒園生らが解体を知り、一足早く壁に「中央ありがとう」などの言葉や絵を書き残したり、記念撮影したりして別れを告げたという。
　開放は両日とも午前10時から午後３時。「園舎に対する思いも人それぞれ。園庭だけでなく建物にも自由に入ってもらい、少しでも記憶にとどめてもらえたら」と南田正江園長は話す。問い合わせは豊橋中央幼稚園（０５３２・52・７８０５）へ。
【田中博子】