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豊橋「牛川の渡し」 昨年度11年ぶり1万人超

コロナ禍で行楽客の需要も伸びた牛川の渡し=牛川町で
コロナ禍で行楽客の需要も伸びた牛川の渡し=牛川町で

 豊橋市を流れる一級河川豊川(とよがわ)の両岸を人力の船で結ぶ「牛川の渡し」の乗船客が昨年度、11年ぶりに1万人を超えた。近くに橋がない住民の交通手段として発達し、最近は観光や行楽での利用も増えた。新型コロナウイルス禍で人との接触が少ない施設として注目され、久々の大台につながった。
 牛川町と大村町の両岸70㍍を結ぶ。1932年から市営となった。詳しい記録などは残っていないが、渡し船の歴史は平安時代にさかのぼる。昭和初期までは同じ下流域の当古や天王など数カ所で運航し、橋のない地域住民の重要な交通手段として維持された。
 市が発表した2022年度の乗船者数は1万579人。12年度から減少基調で18年には7101人に減ったが、コロナ禍で屋外レジャーが脚光を浴びた20年度以降は9000人台を回復した。
 全国でも珍しい手こぎの渡し船として知られ、最近は小学校の校外学習やテレビなどで取り上げられることも多い。現在は管理会社を通じて船頭3人が交替で船を操る。
 船頭は長さ6㍍超の竹竿(さお)を川底に突き刺し、てこの原理で船を動かす。両岸をつなぐワイヤーに取り付けた滑車と船が結ばれ、船が流されるのを防ぐ。船頭は全体重をかけて竿を押し引きし、船首と船尾のバランスを取りつつ向こう岸を目指す。
 新聞記事を見て豊田市から来たという80代と70代の夫婦は「揺れも少なく思ったより快適。河川敷でのんびり過ごしてみたいので、軽食や休憩できる施設があれば便利なのに」と話した。
 船頭歴3年の日比章人さんもコロナ禍で家族連れが増えたという。昨秋のイベントでは1日で100人を乗せた。日比さんは「満潮と強風がぶつかると波が立って舵取りも一苦労。体力のいる仕事だが、それ以上にお客さんと話すのも楽しみ」という。
 無料。運航は午前8時から午後6時(10~3月は午後5時)まで。
【加藤広宣】

 豊橋市を流れる一級河川豊川(とよがわ)の両岸を人力の船で結ぶ「牛川の渡し」の乗船客が昨年度、11年ぶりに1万人を超えた。近くに橋がない住民の交通手段として発達し、最近は観光や行楽での利用も増えた。新型コロナウイルス禍で人との接触が少ない施設として注目され、久々の大台につながった。
 牛川町と大村町の両岸70㍍を結ぶ。1932年から市営となった。詳しい記録などは残っていないが、渡し船の歴史は平安時代にさかのぼる。昭和初期までは同じ下流域の当古や天王など数カ所で運航し、橋のない地域住民の重要な交通手段として維持された。
 市が発表した2022年度の乗船者数は1万579人。12年度から減少基調で18年には7101人に減ったが、コロナ禍で屋外レジャーが脚光を浴びた20年度以降は9000人台を回復した。
 全国でも珍しい手こぎの渡し船として知られ、最近は小学校の校外学習やテレビなどで取り上げられることも多い。現在は管理会社を通じて船頭3人が交替で船を操る。
 船頭は長さ6㍍超の竹竿(さお)を川底に突き刺し、てこの原理で船を動かす。両岸をつなぐワイヤーに取り付けた滑車と船が結ばれ、船が流されるのを防ぐ。船頭は全体重をかけて竿を押し引きし、船首と船尾のバランスを取りつつ向こう岸を目指す。
 新聞記事を見て豊田市から来たという80代と70代の夫婦は「揺れも少なく思ったより快適。河川敷でのんびり過ごしてみたいので、軽食や休憩できる施設があれば便利なのに」と話した。
 船頭歴3年の日比章人さんもコロナ禍で家族連れが増えたという。昨秋のイベントでは1日で100人を乗せた。日比さんは「満潮と強風がぶつかると波が立って舵取りも一苦労。体力のいる仕事だが、それ以上にお客さんと話すのも楽しみ」という。
 無料。運航は午前8時から午後6時(10~3月は午後5時)まで。
【加藤広宣】

コロナ禍で行楽客の需要も伸びた牛川の渡し=牛川町で
コロナ禍で行楽客の需要も伸びた牛川の渡し=牛川町で

カテゴリー:社会・経済

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