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愛大でVGJ前監査役の菊地さんが講演

VGJの豊橋本社移転などの経緯を説く菊地さん=愛知大学で
VGJの豊橋本社移転などの経緯を説く菊地さん=愛知大学で

 愛知大学豊橋キャンパス(豊橋市町畑町)で15日、三遠南信地域連携研究センターの公開講座「越境地域政策講演会」が開かれた。フォルクスワーゲン日本法人「フォルクスワーゲングループジャパン」(VGJ)の前監査役、菊地啓一さんが豊橋への本社移転など33年の軌跡を語った。
 VGJは1992年5月、本社を東京都港区から明海町へ移した。菊地さんは豊橋への移転準備やその後の発展期を経て今年、監査役を最後に退任した。
 この日はVGJが拠点を置く三河港と輸入自動車の動向から、日本法人進出の経緯や豊橋本社を決めた要因、移転に伴う影響を紹介した。
 輸入車販売会社を母体に日本法人を立ち上げたのは89年。移転時の立地条件として、年間10万台を陸揚げできる港湾施設▽納車前点検点に必要な20万平方㍍以上の敷地▽降雪など悪天候の影響が少ない―など五つを挙げた。
 移転先には当初、北海道苫小牧市や茨城県鹿島市、横浜市や名古屋市などの都市も候補に挙がっていた。菊地さんによると、明海地区の開発を担う総合開発機構の協力や地理的な優位性、住環境の良さやUターン志向の人材確保が可能なことが決め手となったという。特に東京都内より地価が安く、ドイツ人社員にとって広い家に住みやすい点が有力な動機付けになったとも説明した。
 一方、主要メディアや国土交通省など官公庁が集まり、最大商圏を抱える東京との距離が国内活動ではデメリットになった点も指摘した。
 菊地さんは「ドイツの本社など世界から見れば問題はないが、東京一極集中を背景に地方の本社では国内活動では不利になる。それでも地価の低さや住環境の良さが上回った」とした。
【加藤広宣】

 愛知大学豊橋キャンパス(豊橋市町畑町)で15日、三遠南信地域連携研究センターの公開講座「越境地域政策講演会」が開かれた。フォルクスワーゲン日本法人「フォルクスワーゲングループジャパン」(VGJ)の前監査役、菊地啓一さんが豊橋への本社移転など33年の軌跡を語った。
 VGJは1992年5月、本社を東京都港区から明海町へ移した。菊地さんは豊橋への移転準備やその後の発展期を経て今年、監査役を最後に退任した。
 この日はVGJが拠点を置く三河港と輸入自動車の動向から、日本法人進出の経緯や豊橋本社を決めた要因、移転に伴う影響を紹介した。
 輸入車販売会社を母体に日本法人を立ち上げたのは89年。移転時の立地条件として、年間10万台を陸揚げできる港湾施設▽納車前点検点に必要な20万平方㍍以上の敷地▽降雪など悪天候の影響が少ない―など五つを挙げた。
 移転先には当初、北海道苫小牧市や茨城県鹿島市、横浜市や名古屋市などの都市も候補に挙がっていた。菊地さんによると、明海地区の開発を担う総合開発機構の協力や地理的な優位性、住環境の良さやUターン志向の人材確保が可能なことが決め手となったという。特に東京都内より地価が安く、ドイツ人社員にとって広い家に住みやすい点が有力な動機付けになったとも説明した。
 一方、主要メディアや国土交通省など官公庁が集まり、最大商圏を抱える東京との距離が国内活動ではデメリットになった点も指摘した。
 菊地さんは「ドイツの本社など世界から見れば問題はないが、東京一極集中を背景に地方の本社では国内活動では不利になる。それでも地価の低さや住環境の良さが上回った」とした。
【加藤広宣】

VGJの豊橋本社移転などの経緯を説く菊地さん=愛知大学で
VGJの豊橋本社移転などの経緯を説く菊地さん=愛知大学で

カテゴリー:社会・経済

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