創部5年目で愛知大会16強 大躍進の新城有教館高野球部

　７月29日に閉幕した「第１０５回高校野球愛知大会」で、初のベスト16に進んだ新城有教館高校が同月31日、新城市役所に下江洋行市長を訪ねた。杉浦聡監督、真田祐太部長、浦野晴乃介主将ら３年生のメンバー６人が出席。今大会の試合結果や躍進の理由を振り返った。
　創部５年目で、夏は２０２１年の１勝止まり。経験不足から本来の力を発揮できずにいた。転機は、８対１でコールド勝ちを収めた今年初戦の豊田工科戦。杉浦監督は「県大会常連の豊田工科に圧勝できたのが、メンバーの自信につながった」と振り返った。
　２～４回戦も危なげない試合運びで５回戦に進出。甲子園で全国最多（11回）の優勝を誇る中京大中京に挑んだ。結果は０対９の完敗だったが、強豪に立ち向かう球児たちの姿は、応援する人に勇気と感動を与えた。
　杉浦監督は「応援されるチームを目指し、技術指導だけでなく、礼儀やあいさつなども指導してきた。中京大中京戦は、多くの人が球場に足を運んで応援してくれた」と感謝した。
　全試合に１番中堅手で出場した浦野主将は「最初の数試合は自分の打撃ができず苦しんだ。それでも監督は信頼して使ってくれて結果を出せた」と語った。
　下江市長は「５回戦で中京大中京と戦えたことに自信を持ってほしい。誇りに思っている」とねぎらった。
　３年生が６人しかいない中、５回戦に進出できたのは持ち味を生かしたチーム編成だった。
　杉浦監督は「遊撃手の安形は俊足を生かして右打ちを左打ちにしたり、投手の村瀬は上投げを横投げに変えたりした」と秘話を明かした。
　監督の起用に応え、安形は９番ながら上位打線につなげられる巧打者に、村瀬はスライダーを武器に大舞台を任せられる投手に成長した。
　杉浦監督は「勝つ喜びを多くの人に共感してもらえるように、今後も頑張りたい」と意欲を見せた。
【北川壱暉】