東三河勢初、豊川が秋季高校野球東海大会制す

決勝で私学四強の一角・愛工大名電を退ける

　「第76回秋季高校野球東海大会」の決勝が29日、岐阜県長良川球場であった。豊川（愛知２位）が愛工大名電（愛知１位）を８対７で破り、初優勝した。東三河勢の同大会優勝は初。10年ぶりのセンバツ出場が有力となった。明治神宮大会の東海代表にも決まった。
　豊川は初回、四球や敵失などから無死満塁とすると、中村の左前適時打で先制した。２点を追加し、さらに山本の左前適時打など打者11人の猛攻で一挙６点を奪った。四回は２死三塁から中村、北田の連続適時打で２点を追加。大量リードの８点差で五回を終えた。
　六回、私学四強の一角が反撃を開始。簡単に２死としたが内野安打などを重ねられ２失点。八回は１死一、二塁から右前適時打や押し出しでさらに２点。味方打線が沈黙する中、九回は先頭打者に三塁打を浴びて３失点。１点差に迫られなお２死満塁とされたが、大会初登板の平野が最後の打者を中飛に打ち取り、薄氷の勝利をもぎ取った。マウンドにナインが集まり、歓喜の輪ができた。
　豊川ナインを率いて３年目の長谷川裕記監督は、選手時代も含めて甲子園出場経験がない。可能性が高まったことについて「歴史をつくれることになればうれしい」と笑顔を見せた。選手は「きょうは１００点」と評価した一方で、明治神宮大会に向けては「東海代表として戦うので、責任を感じる。野球は守備から。守備のミスを減らし、積極的な走塁を磨いていきたい」と話した。
　先制打の中村は「相手の投手が制球に苦しんでいたので、直球に的を絞っていた。抜けてくれて良かった」と振り返った。
　明治神宮大会は11月15日に開幕する。

29日の結果
▽決勝
○…長良川…○
豊川
６００２０００００｜８
０００００２０２３｜７
愛工大名電
（豊）鈴木爽、中西、本田、平野―高橋（愛）古谷、磯田、伊東、大泉―板倉、板野
【北川壱暉】