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田原市のふるさと納税が人気 寄付総額は昨年度比で約4倍

ふるさと寄付の案内やカタログをPRする市職員=田原市役所で
ふるさと寄付の案内やカタログをPRする市職員=田原市役所で
田原市のふるさと納税が人気 寄付総額は昨年度比で約4倍

 田原市のふるさと納税が人気を集めている。企画課によると、今年度の寄付総額(昨年12月現在)が昨年度1年間の1億1200万円の約4倍となっており、年度内に5億円を超える見込みだ。何がきっかけになったのか、市企画課に聞いた。

 所得税の計算の都合で、ふるさと納税は毎年12月にピークを迎える。今年度は12月時点で4億7042万円に達した。件数は2022年12月は2060件、23年12月は1万3971件と単月だけで6倍に上っている。
 企画課は、総務省が昨年10月に施行した経費問題などの制度改正で、寄付金額が全体的に値上げされると話題になったことから駆け込み需要が発生したとみる。ほかにも22年8月から市内の観光情報を発信する「渥美半島観光ビューロー」に、返礼品の開発やPRなどの事務を委託したことが大きいとしている。
 それまで、ふるさと納税の申請は主にポータルサイト「さとふる」「ふるさとチョイス」の二つが窓口となっていた。ビューローに委託後、22年11月に「楽天ふるさと納税」、23年10月に「ふるなび」に拡大。それぞれのサイトの利用者を取り込んだ。

 併せて、市内の事業者にふるさと納税参加を勧める説明会などを開いた。成功事例の共有や、レビューを通じて消費者とつながりが得られるなど出品のメリットを解説した。写真の撮り方やキャッチコピーの工夫なども教え、事業者のPR力の向上を促した。こうした活動により、返礼品はビューロー委託前後で100件から400件に増えた。
 人気商品は、千春うなぎ「最高級特上青うなぎ」▽平原バラ園「チャーミングローズ」▽天野亘さんの「完熟いちじく」▽長栄「しらす干し」▽日研農園「アールスメロン」▽ホクシン「とうもろこし」―など。いずれも高い評価を受けており、リピーターも多い。

 企画課の今井伸一地域戦略係長は「田原産品のリピーターやファンになってもらうことが目的」と話す。観光ビューローの中村匡事務局長は「寄付ありきではなく、田原のいいものをPRして全国に知ってもらいたい」と語った。「魅力ある返礼品と同じぐらい、マネジメントも重要。出品数を増やしたり、同じ品でもバリエーションを用意したりするなど、選択肢を多くするのがすごく大事」とコツを述べた。
 今後、ポータルサイトの拡充に加え、田原への来訪につなげる観光体験や、花の定期便といった返礼品を増やしていくという。中村事務局長は「事業者や興味がある人が気軽に集まり、話ができる場所も作っていきたい」と意気込んだ。
 田原市のホームページ=QRコード=で各ポータルサイトや寄付の使い道などを案内している。
【岸侑輝】

 田原市のふるさと納税が人気を集めている。企画課によると、今年度の寄付総額(昨年12月現在)が昨年度1年間の1億1200万円の約4倍となっており、年度内に5億円を超える見込みだ。何がきっかけになったのか、市企画課に聞いた。

 所得税の計算の都合で、ふるさと納税は毎年12月にピークを迎える。今年度は12月時点で4億7042万円に達した。件数は2022年12月は2060件、23年12月は1万3971件と単月だけで6倍に上っている。
 企画課は、総務省が昨年10月に施行した経費問題などの制度改正で、寄付金額が全体的に値上げされると話題になったことから駆け込み需要が発生したとみる。ほかにも22年8月から市内の観光情報を発信する「渥美半島観光ビューロー」に、返礼品の開発やPRなどの事務を委託したことが大きいとしている。
 それまで、ふるさと納税の申請は主にポータルサイト「さとふる」「ふるさとチョイス」の二つが窓口となっていた。ビューローに委託後、22年11月に「楽天ふるさと納税」、23年10月に「ふるなび」に拡大。それぞれのサイトの利用者を取り込んだ。

 併せて、市内の事業者にふるさと納税参加を勧める説明会などを開いた。成功事例の共有や、レビューを通じて消費者とつながりが得られるなど出品のメリットを解説した。写真の撮り方やキャッチコピーの工夫なども教え、事業者のPR力の向上を促した。こうした活動により、返礼品はビューロー委託前後で100件から400件に増えた。
 人気商品は、千春うなぎ「最高級特上青うなぎ」▽平原バラ園「チャーミングローズ」▽天野亘さんの「完熟いちじく」▽長栄「しらす干し」▽日研農園「アールスメロン」▽ホクシン「とうもろこし」―など。いずれも高い評価を受けており、リピーターも多い。

 企画課の今井伸一地域戦略係長は「田原産品のリピーターやファンになってもらうことが目的」と話す。観光ビューローの中村匡事務局長は「寄付ありきではなく、田原のいいものをPRして全国に知ってもらいたい」と語った。「魅力ある返礼品と同じぐらい、マネジメントも重要。出品数を増やしたり、同じ品でもバリエーションを用意したりするなど、選択肢を多くするのがすごく大事」とコツを述べた。
 今後、ポータルサイトの拡充に加え、田原への来訪につなげる観光体験や、花の定期便といった返礼品を増やしていくという。中村事務局長は「事業者や興味がある人が気軽に集まり、話ができる場所も作っていきたい」と意気込んだ。
 田原市のホームページ=QRコード=で各ポータルサイトや寄付の使い道などを案内している。
【岸侑輝】

ふるさと寄付の案内やカタログをPRする市職員=田原市役所で
ふるさと寄付の案内やカタログをPRする市職員=田原市役所で
田原市のふるさと納税が人気 寄付総額は昨年度比で約4倍

カテゴリー:社会・経済

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