「ヤマサちくわ」技能実習生が結婚式

新郎・ソカーさん、新婦・モイオーンさん幸せいっぱい

　豊橋市の「ヤマサちくわ」の技能実習生が19日、同市西小池町の結婚式場「ベルアンジュール」で式を挙げた。会社幹部や同僚らの計らいがあった。
　カンボジア国籍で、新郎のエン・サム・ソカーさんと新婦のエン・モイオーンさん。２人は同社がカンボジアの実習生を雇用し始めた頃からいるリーダー的存在で、来日６～７年目。ソカーさんが先輩としてモイオーンさんに仕事を教える中でお互いの優しさに気付き、愛を深めていったという。

監督の水野製造部長が発起人

　式の発起人は実習生を監督する立場でもある水野康浩製造部長。２人の結婚したいという思いを聞いて「何かしてあげられることはないか」と社内で挙式費用のカンパを呼び掛け、式場に話を持ちかけた。ベルアンジュール側も「そういったことを考える会社は聞いたことがない。ぜひ実現させましょう」と快諾、協力した。
　式には同じ工場で働くカンボジア国籍の実習生20人と社員ら25人が駆けつけた。ソカーさんとモイオーンさんはバージンロードを仲睦まじく歩き、指輪を交わし、誓いのキスをした。婚姻の承認を同僚らに求めると、盛大な拍手が起きた。佐藤元英社長も「これほどめでたいことはない」などと祝辞を送った。
　２人は２月に一度帰国し、母国で改めて式を挙げるという。ソカーさんとモイオーンさんは「分からないことを何でも手伝ってくれた。本当にありがとうございます」と水野部長に感謝した。水野部長は「社員は家族であり、子どものようなもの。こうした縁をきっかけに、仕事も、日本も好きになってほしい」と語った。
【岸侑輝】