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能登半島地震被災地でレッドタートル活躍

雪が積り、がれきが散乱する悪路を走破するレッドタートル=石川県で(提供)
雪が積り、がれきが散乱する悪路を走破するレッドタートル=石川県で(提供)
レッドタートルと中消防署前芝出張所のみなさん
レッドタートルと中消防署前芝出張所のみなさん
出動に備えて訓練に励む
出動に備えて訓練に励む

豊橋市消防本部派遣で資材運搬や安否確認

 能登半島地震で、豊橋市消防本部は中型水陸両用車「レッドタートル」を1日から10日まで派遣した。がれきが散乱し、あちこちが地割れしていた被災地。さらに雪で路面が見えない中、緊急消防援助隊員や救助資機材を運搬し、人命救助に貢献する活躍をした。配備されている中消防署前芝出張所の職員に、当時の活動や災害に備えた取り組みを聞いた。
 全国に6台しか配備されていない。全長4・9㍍、幅2・4㍍。陸上8人、水上6人が搭乗でき、タイヤに取り付けた履帯と後部のプロペラで水陸を移動できる。
 豊橋市は2020年3月、津波や大規模風水害による広域的な冠水地域に対応するため、援助隊の登録車両として配備、出張所の職員3人で運用している。市民からは「レッドタートル」の愛称で親しまれる。
 年40回にわたり、寸断した道を進むため積んだ土のうを乗り越える訓練や、豊川(とよがわ)で水難救助訓練などに取り組んでいる。雨の日は車両に機材を積み、迅速に出動できる体制を整えている。昨年6月、東三河豪雨で同市下条西町に初出動し、冠水した道路に入って捜索活動に当たった。
 1日、出勤した平尾泰一さんと小山将矢さんはテレビで能登半島地震の情報を知り、食料や救助物資など10分以内に積み込み、出動に備えた。命令が出ると緊急消防援助隊「特殊装備小隊」の1次隊として石川県輪島市門前町の輪島消防署門前分署へ出発した。
 狭い道路が多く、家屋の倒壊などの被害状況が想像以上にひどかったことで、現場の状況を悪化させてしまうことを懸念し、当初は岡崎市消防本部の大型水陸両用車「レッドサラマンダー」を含めて使用を差し控えていた。その間、平尾さんらは救助隊として活動した。
 出番が来たのは出張所の矢野孝博さんと渡辺優人さん、飛田真太郎さんが3次隊として派遣されていた8日。
 雪が30~50㌢降り積もって路面が見えなくなり、凍結もあって悪路になっていた。矢野さんは中型で小回りが効き、除雪車と同じ履帯で雪道でも走行可能なレッドタートルの特性を生かせると考えた。豊橋、岡崎の救助隊員計10人と救助工作車からなる部隊に、安否確認担当として参加した。
 途中、雪や土砂崩落などの影響で工作車が動けなくなる状況になった。矢野さんらはレッドタートルを使い、救助隊を5人ずつ乗せて分署と被災現場を往復した。道路の陥没がないかを確認しながら、雪道を進んで隊員を運び届けた。

車に取り残された人の救助にも一役

 車中に取り残された人を発見した岡崎の隊から、救助機材が必要との連絡を受けた。油圧救助器具「スプレッダー」など計約270㌔の機材を積み込み、再び現場へ。届いた機材で被災者を無事に助け出した。
 矢野さんは「現地で活動したことで課題や改善する部分を見つけることができた。市民の安全を守るためにも訓練に励みたい」と話した。
【林大二朗】

豊橋市消防本部派遣で資材運搬や安否確認

 能登半島地震で、豊橋市消防本部は中型水陸両用車「レッドタートル」を1日から10日まで派遣した。がれきが散乱し、あちこちが地割れしていた被災地。さらに雪で路面が見えない中、緊急消防援助隊員や救助資機材を運搬し、人命救助に貢献する活躍をした。配備されている中消防署前芝出張所の職員に、当時の活動や災害に備えた取り組みを聞いた。
 全国に6台しか配備されていない。全長4・9㍍、幅2・4㍍。陸上8人、水上6人が搭乗でき、タイヤに取り付けた履帯と後部のプロペラで水陸を移動できる。
 豊橋市は2020年3月、津波や大規模風水害による広域的な冠水地域に対応するため、援助隊の登録車両として配備、出張所の職員3人で運用している。市民からは「レッドタートル」の愛称で親しまれる。
 年40回にわたり、寸断した道を進むため積んだ土のうを乗り越える訓練や、豊川(とよがわ)で水難救助訓練などに取り組んでいる。雨の日は車両に機材を積み、迅速に出動できる体制を整えている。昨年6月、東三河豪雨で同市下条西町に初出動し、冠水した道路に入って捜索活動に当たった。
 1日、出勤した平尾泰一さんと小山将矢さんはテレビで能登半島地震の情報を知り、食料や救助物資など10分以内に積み込み、出動に備えた。命令が出ると緊急消防援助隊「特殊装備小隊」の1次隊として石川県輪島市門前町の輪島消防署門前分署へ出発した。
 狭い道路が多く、家屋の倒壊などの被害状況が想像以上にひどかったことで、現場の状況を悪化させてしまうことを懸念し、当初は岡崎市消防本部の大型水陸両用車「レッドサラマンダー」を含めて使用を差し控えていた。その間、平尾さんらは救助隊として活動した。
 出番が来たのは出張所の矢野孝博さんと渡辺優人さん、飛田真太郎さんが3次隊として派遣されていた8日。
 雪が30~50㌢降り積もって路面が見えなくなり、凍結もあって悪路になっていた。矢野さんは中型で小回りが効き、除雪車と同じ履帯で雪道でも走行可能なレッドタートルの特性を生かせると考えた。豊橋、岡崎の救助隊員計10人と救助工作車からなる部隊に、安否確認担当として参加した。
 途中、雪や土砂崩落などの影響で工作車が動けなくなる状況になった。矢野さんらはレッドタートルを使い、救助隊を5人ずつ乗せて分署と被災現場を往復した。道路の陥没がないかを確認しながら、雪道を進んで隊員を運び届けた。

車に取り残された人の救助にも一役

 車中に取り残された人を発見した岡崎の隊から、救助機材が必要との連絡を受けた。油圧救助器具「スプレッダー」など計約270㌔の機材を積み込み、再び現場へ。届いた機材で被災者を無事に助け出した。
 矢野さんは「現地で活動したことで課題や改善する部分を見つけることができた。市民の安全を守るためにも訓練に励みたい」と話した。
【林大二朗】

雪が積り、がれきが散乱する悪路を走破するレッドタートル=石川県で(提供)
雪が積り、がれきが散乱する悪路を走破するレッドタートル=石川県で(提供)
レッドタートルと中消防署前芝出張所のみなさん
レッドタートルと中消防署前芝出張所のみなさん
出動に備えて訓練に励む
出動に備えて訓練に励む

カテゴリー:社会・経済

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