100㍍背泳ぎで二度目の五輪目指す小西選手

代表選考会が17日に開幕

　競泳のパリ五輪代表選考会が17日、東京アクアティクスセンターで開幕した。１００㍍背泳ぎで東京五輪に続く出場を狙う豊川高出身の小西杏奈選手（ガスワン）がインタビューに応じ、「今も悩んでいる」と苦しい胸の内を語った。【北川壱暉】
　２歳から水泳を始めた。小学４年の頃、県内の試合に出ると、隣のレーンにはロンドン五輪銅メダルの寺川綾さんがいた。「かっこよくて大きい。私もこうなりたい」と憧れた。豊川高に進み、水泳漬け日々を送った。
　中京大学に進学すると才能が開花。上半身の強さを生かし、後ろにのけぞってスタートする「水上スタート」を武器に、４年時には２０１８年のジャカルタ・アジア大会１００㍍背泳ぎで銀メダルを獲得した。21年４月の日本選手権で１００㍍と２００㍍背泳ぎで優勝。東京五輪では、１００㍍背泳ぎで準決勝進出、４００㍍リレーでは８位入賞した。「最初は満足感が強かったが決勝を見ると、トップ選手と泳ぎたい気持ちがあふれてきた」と語る。

「燃え尽き症候群」との闘い

　引退する選手もいるなか、１カ月の休みの後、練習を再開した。だが「燃え尽き症候群」に苦しんだ。「どこかで東京五輪でやり切った思いがあったのかな」。体が重く、思うような泳ぎができない毎日が続いた。
　22年日本選手権の１００㍍背泳ぎでは２位、翌年は８位に終わった。59秒58の自己ベストから１秒以上遅かった。「落ち込んだ。出口が見えなかったし、コーチと話すのも怖くなった」と振り返る。
　草薙健太コーチに相談し、昨年11月にロンドン五輪２００㍍平泳ぎ銀メダルの鈴木聡美選手と山梨の高地合宿に参加した。刺激をもらい、１日５０００㍍泳ぎ込んだ。良いときの動画を見ながら「速いタイムを出そうと泳ぎが小さくなっていた。私のいいところは体が浮いて泳ぎが大きくみえるところ」と、フォームも見つめ直した。
　１００㍍と２００㍍背泳ぎに出場予定で、決勝で派遣標準記録を突破して２位までに入ることが求められる。「今も悩んでいる。だが、自分を信じて間に合わせるしかない。１００㍍背泳ぎの59秒３を突破して、パリ五輪への出場枠をつかみとりたい」と抱負を語った。　

２００㍍平泳ぎなど４種目で今井選手も

　同校出身の今井月選手（バローＨＤ）も、女子２００㍍平泳ぎなど３種目にエントリーしている。