豊橋市など屋外防犯カメラ設置を強化

　安心で安全なまちづくりのため、屋外の防犯カメラ設置を支援する動きが盛んだ。豊橋市は従来の設置補助に加え、市独自に設置する。蒲郡市では、防犯協会による自動販売機の収益金を生かした設置への取り組みが進んでいる。カメラを置くことで抑止効果にもつながり、窃盗や空き巣の多い地域では新たな監視の目に期待する。

　豊橋市は今年度、独自財源で２５０台の防犯カメラを設ける。向こう４年間で１０００台数設置を目標に掲げる。県内で先行する中核市の状況などを踏まえ、１０００台で防犯対策が必要な設置ポイントをカバーできるとみている。
　豊橋署をはじめ自治会や学校などの協力で、初年度は特に防犯対策が欠かせない場所などへ優先的に配置するという。
　これまで、防犯カメラの導入を検討する自治会は市の補助制度で独自に設置していた。１団体30万円を上限とし、カメラ設置費の60％を支援している。市安全生活課によると、ここ数年の設置台数は２０２３年が32台、22年18台、21年25台、20年は46台だった。
　安全生活課では「カメラの設置を機に、犯罪抑止や防犯意識の啓発につなげたい。ほかにも日常生活から防犯の視点を促す取り組みにも力を入れたい」と意気込む。
　豊橋署がまとめた今年２月末までの刑法犯の事案総数は３４５件（前年同期比96件増）。このうち、自転車盗が前年比34件増えて70件だった。ほか、侵入盗15件のうち住宅対象は８件。前年の４件から倍増した。富裕層が比較的多いとみられる住宅街などで空き巣被害が増えているという。

　蒲郡市では２０１５年頃に防犯カメラの一部設置補助を設けた。
　町自治会からなる総代区で取り組む場合、40万円を上限に設置費の80％まで補助する。商店街や市長が認める団体には25万円を上限に半額を助成する。これまで35団体が延べ56台を設置した。
　一方、蒲郡防犯協会連合会は15年から、安心して暮らせる街の確立のため、まちの防犯カメラ設置を促す独自の「がまもりんプロジェクト」に取り組んでいる。
　プロジェクトでは自販機会社の協力で、飲料の売上金の一部を寄付。防犯カメラの購入や設置の費用に充てられる。市内40の企業や団体が賛同し、これまでに73台を導入した。犯罪抑止、付近で起きた交通事故の原因究明、行方不明者の捜索にも役立っている。
【加藤広宣、林大二朗】