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豊橋筆づくりを体験

仕上げの糊付け作業に挑戦する生徒ら=くすのき特別支援学校で
仕上げの糊付け作業に挑戦する生徒ら=くすのき特別支援学校で

 豊橋市立くすのき特別支援学校の高等部2年生29人が、同校で豊橋筆嵩山工房(豊橋市嵩山町)から訪れた筆職人5人による出前授業を受けた。地元の伝統工芸を学び、地域の人と交流を図ることを目的に、同校は学年ごとに違ったものづくり体験を実施している。
 生徒らは、筆先に使われている馬やヤギ、イタチの毛などさまざまな原材料に触れながら特徴などを学んだあと、職人が固い馬の毛と柔らかいヤギの毛を水で丁寧に混ぜていく「練りまぜ」工程を見学。筆に命を吹き込むと言われる工程で、種類の違う毛が混ざり合い助け合うことで使いやすい1本の筆になると説明を受けた。生徒らは、整えられたばかりの筆先で思い思いの文字を書き、使い心地を確かめた。
 約36あるという豊橋筆の制作工程。筆の知識を深めた生徒らは、仕上げの3工程に挑戦した。職人らの指導を受けながら、糊(のり)を筆先全体にしみ込ませ、糸を使って余分な糊を落としていく作業と「豊橋筆」ラベルなどを付けて完成させる工程に真剣になって取り組んだ。
 筆を完成させて矢沢智哉さん(17)は「筆は使いにくいイメージがあったけど、使いやすいように作られているのがよく分かった。糊付け作業は難しくて緊張したけど、分かりやすく指導してくれて良かった」と話した。
 指導にあたった豊橋筆・伝統工芸士の山崎亘弘さんは、生徒たちに「誰にも負けない自分だけのものを1つ見つければ、何歳になっても仕事をしていけるから頑張ってください」とエールを送った。
 豊橋筆は1人の職人が全工程を手作りで仕上げるという。一人前の工芸士になるのに時間や忍耐を要することから、後継者が不足していると山崎さんは付け加えた。
(井嶋義典)

 豊橋市立くすのき特別支援学校の高等部2年生29人が、同校で豊橋筆嵩山工房(豊橋市嵩山町)から訪れた筆職人5人による出前授業を受けた。地元の伝統工芸を学び、地域の人と交流を図ることを目的に、同校は学年ごとに違ったものづくり体験を実施している。
 生徒らは、筆先に使われている馬やヤギ、イタチの毛などさまざまな原材料に触れながら特徴などを学んだあと、職人が固い馬の毛と柔らかいヤギの毛を水で丁寧に混ぜていく「練りまぜ」工程を見学。筆に命を吹き込むと言われる工程で、種類の違う毛が混ざり合い助け合うことで使いやすい1本の筆になると説明を受けた。生徒らは、整えられたばかりの筆先で思い思いの文字を書き、使い心地を確かめた。
 約36あるという豊橋筆の制作工程。筆の知識を深めた生徒らは、仕上げの3工程に挑戦した。職人らの指導を受けながら、糊(のり)を筆先全体にしみ込ませ、糸を使って余分な糊を落としていく作業と「豊橋筆」ラベルなどを付けて完成させる工程に真剣になって取り組んだ。
 筆を完成させて矢沢智哉さん(17)は「筆は使いにくいイメージがあったけど、使いやすいように作られているのがよく分かった。糊付け作業は難しくて緊張したけど、分かりやすく指導してくれて良かった」と話した。
 指導にあたった豊橋筆・伝統工芸士の山崎亘弘さんは、生徒たちに「誰にも負けない自分だけのものを1つ見つければ、何歳になっても仕事をしていけるから頑張ってください」とエールを送った。
 豊橋筆は1人の職人が全工程を手作りで仕上げるという。一人前の工芸士になるのに時間や忍耐を要することから、後継者が不足していると山崎さんは付け加えた。
(井嶋義典)

仕上げの糊付け作業に挑戦する生徒ら=くすのき特別支援学校で
仕上げの糊付け作業に挑戦する生徒ら=くすのき特別支援学校で

カテゴリー:社会・経済

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