豊橋や豊川でメーデー

真の働き方改革訴え

　労働者団体、連合愛知豊橋地域協議会の「第89回メーデー＆ファミリーの集い」が22日、豊橋総合動植物公園であり、豊橋市内などの労働組合から組合員、家族ら約３５００人が参加した。「真に働く者の立ち場に立った働き方改革」などに向け、全力を挙げる同地協メーデー宣言を採択した。
　メーデーは、米国の労働者が団結し、８時間労働制を要求して立ち上がったことを起源とし、働く者の権利獲得のため団結と連帯の力を示す日となっている。
　集いは、佐原光一豊橋市長、関健一郎衆院議員らを来賓に迎えて行われ、鈴木康夫実行委員会委員長はあいさつで「政府主導の働き方改革は働く者の首をしめかねない。しっかり議論を重ねていただきたい。希望を持て、男性、女性とも仕事と生活を両立できる改革に」と訴えた。
　メーデー宣言では、ワークライフバランス（仕事と生活の両立）をはじめ、長時間労働の是正など働く者の立場に立った働き方改革を求めるとともに、賃金の底上げ・底支えに向けた取り組みを発展させるなどとし、貧困や格差のない安心して暮らすことのできる社会を目指し、全力を挙げることを示した。
　最後に参加者全員で力強く「ガンバロー」を三唱し、団結した。
　メーデー式典のほか、大道芸人らのショー、電化製品の当たる福引き大会もあり、大勢の組合員、家族が集まった。
（中村晋也）

スズキ豊川工場が最後の参加

　豊川市内などの企業の労働組合でなる連合愛知三河東地域協議会（水野正行代表）も22日、同市総合体育館前広場で89回目のメーデーを開催し、組合員やその家族ら約２３００人が来場した。
　式典には、山脇実市長や、民進党の伊藤孝恵参院議員や大嶽理恵県議らが出席。水野代表は少しずつ賃金が上がっていることに「組合員一人ひとりの意識が世の中を変えている」と評価する一方で「お粗末な与党政治にさせてしまっているのは、我々にも責任がある。政治への無関心が自分の首を絞める。きょうから行動を起こしていくべき」と呼び掛けた。
　また、今年７月をもって操業を終了し、船外機や二輪車製造が静岡県へ移転するスズキ豊川工場の労組は今回が最後の参加。スズキ労組副中央執行委員長兼豊川支部長の野沢卓志さん（53）は「47年間本当にお世話になった。ご恩義を抱き、皆さまに恥じぬように新しい場所で頑張りたい。スズキ豊川工場があったことを忘れないでほしい」と訴え、高らかにメーデー宣言を行った。
　スズキ豊川工場の跡地予定地には、大型商業施設イオンモールの進出計画が進んでいる。
　式典の前後には交流行事として餅投げや抽選会、バンド演奏もあり、女性や子どもも楽しんだ。
（由本裕貴）