東三河にも台風12号の影響

　強い台風12号は29日午前１時ごろに三重県伊勢市付近に上陸。東三河でも一部住民が自主避難したほか、同日午後５時までに、広域で停電や倒木などの被害が発生した。
　各地で停電があり、29日午前２時時点で豊橋市１５８００戸、豊川市３００戸、蒲郡市２４００戸、新城市２００戸、田原市１６６００戸が停電。中部電力によると、同日午後３時までに、豊橋市、田原市以外は復旧、両市でも同日中の解消を目指し、作業を進めている。
　東海道線は、豊橋駅－二川駅間の倒木の影響などで一部の列車が運休した。
　上下全線とも29日始発より運行を見合わせていた豊橋鉄道は　豊橋市内の市内線が午前５時半過ぎに、渥美線上下線が午前７時過ぎに運転を開始した。
　豊橋市では、二川地区市民館や二川南校区市民館など最多で４カ所の避難所に６世帯８人が自主避難したが、29日午前７時までに全員が帰宅した。倒木や民家の屋根の一部がはがれるなどの被害が数件あったが、けが人の情報は入っていない。
　同市牟呂大西町の素戔鳴神社では、境内の大木が倒れ、手を清める「手水舎」も壊れ、住民らが対応に追われた。豊橋総合動植物公園も大木が倒れたり、枝などが吹き飛んだりして、一部の通路を通行止めにして入園者の安全を確保した。
　豊川市で発生した停電は、主に御津町や為当町豊沢、西方、広石の一部で約４時間にわたった。強風により、赤坂町にある事業所の倉庫などでシャッターが損壊する被害も出た。
　蒲郡市は28日午後１時半に市内公民館など11カ所に避難所を開設。うち８カ所に45世帯66人が自主避難した。
　市によると、29日午前１時すぎ、市民会館（栄町）の１階にある文化協会窓ガラスがひび割れしているのを消防隊員が確認。蒲郡まつりに使うテントが飛ばされ、ガラスに直撃したとみられる。
　また、三谷町若宮地内の太陽光パネル４枚（70㌢×１・２㍍）が道路近くに散乱した。
　新城市は28日午後６時に新城、鳳来、作手の３中学校に避難所を開設。新城中学校には女性１人が避難した。道路に近い場所６カ所での倒木もあり、復旧作業に追われたほか、豊島では防犯灯柱が傾いた。
　田原市では、福江市民館や泉市民館など最多で９カ所の避難所に21世帯29人が避難、29日午前６時までに全員が帰宅した。建物損壊13件や倒木28件、農業用ハウス破損３件などの被害が発生。20代男性が小屋の戸で左手小指を切る軽傷を負ったほかは、けが人の情報は入っていない。
（取材班）