中秋の名月めでる市民

豊橋で短歌、俳句、川柳を詠む

　「中秋の名月」の24日夜、豊橋市民お月見会（豊橋文化振興財団主催、東愛知新聞社など後援）が豊橋公園の三の丸会館で開かれ、訪れた人たちが月などを題材に短歌、俳句、川柳を詠んだ。
　１年で最も美しいとされる中秋の名月。この時期に合わせ、「お月見会」と称し、歌・句会が開催されている。
　会場は、月にちなんだ日本画が飾られ、壁谷和子社中の為国知里さん（豊橋市）による箏の演奏もあり、お月見会の雰囲気を盛り上げた。虫の鳴き声も響く中、来場者が短歌や俳句などを考えた。　
　俳句を詠んだ夫婦は「雲に見え隠れする月を詠んだ。ここに来る方が材料があって句が浮かびます」と話していた。
　短歌、俳句、川柳の各部とも30日まで、三の丸会館で「観月」をテーマにした作品の投稿を受け付けている。いずれも、特選１句と秀逸、佳作が選ばれる。11月24日に表彰式が開かれる。
　昨年は、俳句１６４句、短歌１２８首、川柳１５２句の応募があった。
（中村晋也）

蒲郡の上ノ郷城跡で観月会

　蒲郡市神ノ郷町の市指定史跡・上ノ郷城跡で24日夜、観月会が行われた。約２００人が参加し、中秋の名月に向けてメッセージ入りの風船を飛ばしたほか、地元出身の村田青水さんの琵琶語りなどを見入った。
　東の空から雲の合間から月が昇り、午後７時前には「月まで届け願かけ風船」と題して参加者全員がメッセージカードを付けた風船を飛ばした。
　ステージでは同町出身で錦心流全国一水会の村田青水さんが脚色した仏教童話「月へ行った兎」を琵琶演奏とともに披露したほか、住民らが紙芝居「上ノ郷城物語」を上演した。
　上ノ郷城は戦国時代の西郡（蒲郡市）に今川氏に属する鵜殿長将が居城したとされ、１５６２（永禄５）年に鵜殿長照城主の際、徳川家康方陣営の忍者が火を放ち、落城したと鵜殿由緒書で記される。その後、徳川方の久松松平氏が入ったとされ、徳川家康が三河の地で勢力を拡大させたゆかりの城として歴史愛好家たちの注目を集める。１９５７年に市史跡に指定されている。
　観月会は地元住民らでつくる同城跡保存研究会が２０１０年から毎年企画。足立泰敏会長は「今年は２月に桜の植樹もしており、今後は観桜会も企画して城の知名度を上げていきたい」と話した。
（安藤聡）